第708回番組審議会 10月11日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、小松 陽一郎 副委員長、
北川 チハル 委員、高見 孔二 委員、
龍沢 正之 委員、中西 悠子 委員、
橋爪 紳也 委員、原 美和 委員、
松山 秀明 委員

〔当社側出席者〕
今村 俊昭 代表取締役社長、
中村 博信 取締役、岩田 潤 取締役、
飯田 新 総合編成局長、
吉村 政人 コンプライアンス局長、
西 一樹 報道企画部長、平岩 和之 ディレクター、
木村 佳麻里 事務局長、米澤 公章 事務局員、
石原 康男 事務局員、北本 恭代 事務局員

審議課題

『追跡スペシャル「女ヤクザ」母なる懺悔録』
<事前視聴 2024年9月22日(日)午後4時25分~5時25分>

委員の主な発言

<番組の評価点>

  • 元受刑者たちがどのように暮らし、更生しようとしているのか、視聴者の知らない現場に入り込んだ、衝撃的な映像が多かった。基本的にモザイク処理もなかったのは、交渉も大変だったと思うし、よりリアルな現実を描くことに成功していた。
  • カメラを向けるまでの関係作りなど取材の努力を想像させられた。生きづらく、本当に行くところがないのだろうと思わせる人たちが、肩を寄せ合っている感じが出ていてよかった。
  • 対象者の心の中に入っていくような取材ができていたと思う。

 

<番組の課題>

  • いかなる番組であっても根底には犯罪に対する批判というものがあるべきだと思うが、そうした批判が十分には感じ取れなかった。
  • 「女ヤクザ」というタイトルや、特殊な世界の特異な存在であることを強調した演出に違和感を覚えた。
  • テレビのドキュメンタリーの場合、どうしても対象と寄り添わなければいけないこともあり、視点が一つになってしまうと思われる。例えば地元の住民、自治体や警察などの様子があれば、世間でどう評価されているのかなど、もう少し理解できたのではないか。
  • 女性が息子に会いにいこうとするシーンがあったが、その前に深く考えているような部分がなく、見ていてつらかった。
  • 女性がこう変わったというところが最後まではっきりしないままだった。前向きに明るく変わる姿がもう少し見たかった。
  • 振り返って考える場面や一息つけるところがなく、気が抜けないまま番組を見たため、心に残るものが感じられなかった。
  • 関心を引くことを重んじる他メディアとは異なり、地上波テレビとしては、衝撃的な部分とは距離を取り、もう少し彼女の本心をじっくり描いてもよかったのではないか。

番組制作者側から

  • 第二の人生のスタートを切ったものの、女性自身がなかなか変われないところを抱えている難しさを伝えたかった。
  • 地上波テレビだけでなくYouTubeでの配信もかなり意識して、息つく暇もないような展開を意図したが、ドキュメンタリー作品としてどうあるべきかは今後の課題だと思う。

「放送番組の種別」および「種別ごとの放送時間」の報告

2024年10月からの「放送番組の種別」と2024年4月から9月までの「種別ごとの放送時間」を報告した。

以上