第699回番組審議会 11月17日(金)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
「朝日放送テレビ番組基準」改正の諮問および答申
「朝日放送テレビ番組基準」が準拠する「日本民間放送連盟放送基準」が一部改正されるのに伴い、「朝日放送テレビ番組基準」の改正(2024年4月1日付)を諮問し、番組審議会より妥当であるとの答申を受けた。
審議課題
『ザ・プレミアム・モルツ presents CHEF-1グランプリ2023』
<事前視聴 2023年10月22日(日)午後6時~7時58分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- 「とんかつ」、「ラーメン」、「すき焼き」と視聴者が想像できる料理で勝負をしたので、わかりやすく、イメージも湧いて味や匂いも想像することができた。娯楽番組として、料理番組として、楽しく見ることができた。
- 年々内容が磨かれてシンプルに料理対決を楽しめるようになってきている。今年の「革命」というテーマは面白かった。味を想像するしかない視聴者にも楽しみやすいポイントになって、ドラマチックな展開にもつながったと思う。
- 前回までの地元食材を使うというルールは、北海道が有利だと思っていた。それに対して、今回はちゃんとアイデアと腕で勝負をしている。「革命」というテーマで番組の方向性が絞られ、今までで一番面白い。お茶を使ったラーメンや優勝したすき焼きは食べてみたいと思った。
- 元々この番組は、「視聴者が食べられない」、「知らない人が作る」、「知らない人が審査をする」と三つの気になる点があった。今回、審査員にGACKTさんを入れ「知らない人が審査をする」という点を改善してきたのが良かった。その効果でエンターテインメント性が高まった。
- GACKTさんの審査コメントが素晴らしかった。料理が、「革命」というテーマに沿っているか、バランスがどうかなど彼の視点でしっかりと答えを出していた。低い点数を付けたときでも、料理人を傷つけることなく評価しているところにもすごさを感じた。
<番組の課題>
- 以前は出場者たちが『CHEF-1』にかける情熱をもっと感じたし、そこが良かったと思う。今回は、シェフたちの掘り下げが少なかったように感じた。主人公は熱戦を繰り広げているシェフたちで、審査員やタレントたちではない。優勝という目標に向かうシェフたちの生きざまを見せることが、この番組の最大の魅力だったと思う。もっと緊張感や葛藤など内面の部分を映し出してほしかった。
- 決勝をトーナメント形式にし、試合によって料理テーマが変わったことで、運の要素が強くなった。ファイナリスト4名が一つの料理テーマで競い合ったほうが、チャンピオンの選出方法としては納得しやすかったと思う。
- 番組の原点であるシェフの一番を決めるという点がブレていた感じがして、もったいなかった。審査員の少なさも気になった。決勝で4人というのはどうなのだろう。第1回放送のクルーズ船での戦いは、華やかで盛大で、他ではできない番組だった。あれを超えてくる番組ではなかったように思う。
- カリスマ性の高いGACKTさんが審査員として出演することで、出場したシェフや料理界で活躍する審査員たちよりも、GACKTさんの言動のほうに注目が集まってしまうのではないかと思った。これは番組の趣旨に合っているのだろうかと気になった。
- 料理番組のようにレシピを紹介してもよかった。料理好きな人は、レシピを見ただけでも出場者たちの発想に驚きを感じると思う。
- 芸能人ゲストの試食は必要なのだろうか。人数も多いし言動がどうしてもパフォーマンスに見えてしまう。
- 番組が少し地味だなという印象だった。スタジオに来たシェフたちは、予選を勝ち抜いてきたのに、そのすごさがあまり出ていないと思う。
- 録画番組であるとしても、競技番組なので最大限、スタジオ内の「ライブ感」を生かすべきではないか。全般に編集が過剰なように思う。
- 真剣勝負で競技をしているので、負けた方のコメントもしっかりと聞いてみたかった。本当に我々の心を揺るがすのは、勝った人ではなくて負けた人だと思っている。そのコメント自体にエンターテインメント性も出るのではないだろうか。
番組制作側から
- 3年目に入って、全国の出場者から倒すべきターゲットとされるシェフも生まれてきた。これからも魅力的なシェフがどんどん集まって、新たな物語が始まると思っている。まだ課題もあるのでそれを克服し、進化していきたい。
- この番組に出たシェフたちが、この番組に出ることでどう変わっていくのか、その様子もフォローしていきたい。
以上