第683回番組審議会 4月15日(金)開催
*一部オンラインを交えた対面形式で開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
審議課題
『ドキュメンタリードラマ 奇跡のバックホーム』
<事前視聴 2022年3月13日(日)午後1時55分~3時20分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- ドキュメンタリー部分とドラマ部分が、うまく構成された番組であった。横田慎太郎さんのことは全く知らなかったが、はじめに主演の間宮祥太朗さんが横田さんを訪ねて対談したり、間宮さんのフォームを見たりするシーンがあって、短い時間ながら横田さんの人となりが伝わってきた。ドラマでは、親代わりとなったスカウトの田中秀太役を演じた丸山智己さんとのやり取りとか、野球経験がないのに少年時代から練習に付き合って明るく支え続けた母親役の石田ひかりさんの演技に胸を打たれた。
- 感動で涙が止まらなかった。最後、ドキュメンタリーに戻ってからの横田慎太郎さんの引退スピーチが素晴らしくて、彼の人間力が出ていた。ドラマでは引退に至るまでのスカウトとの会話が丁寧に描かれていて、選手にとって特別な存在であるスカウトを取り上げたことが良かった。
- このエピソードを知らなかったので、最初のドキュメンタリー部分で早めに大筋を知ってからドラマに入っていく展開は、非常に気持ちが入りやすかった。実写とドラマの融合は自然にうまくできていて、最後の間宮祥太朗さんがセンターに走っていく場面から当日の実写の映像に移っていくところは、全然違和感がなく、番組の作り方がうまいなと思った。
- 引退後も病魔と闘って、後遺症を抱えつつも前向きに新しい道を歩まれている横田さんの様子が、ご本人の口から語られている映像にすごく安心した。横田さんの日常感ある場面で、「おっ、雪が降ってきました」で終わる何気ない自然体のラストがとても素敵だった。
- ドキュメンタリーの部分で、バックホームした時に、得点を阻まれたソフトバンクの選手が拍手をしている姿がたまたま映りこんでいたり、阪神の一軍選手もたくさん見に来ていたり、人柄がよい選手なんだということを番組全体で感じた。朝日放送テレビには様々な映像のストックがあって、それをうまく活用できた番組であるということを再認識した。今後も、過去の様々な映像を活かした番組作りに期待したい。
- 最近暗いニュースが多い中で久しぶりに感動と勇気をいただける番組だった。やはり実話ということと実写というのは強いな、力があるなと思った。特にあのバックホームのシーンと引退スピーチにはすごい力があった。バラエティも良いが、こういうドキュメンタリー番組をもっと見たいと個人的には思った。
- 阪神の良さというのか、一軍も二軍もみんなが仲間意識でワーッとやっていこうというチームカラーが、引退試合にみんなが来たというあの場面に現れたんじゃないかな。それを強調したこともうれしかった。
<番組の課題>
- 今回の番組は「ドラマを見るんだな」という気持ちで見始めた。最初に横田さんの人物像の話や経緯が入っていたので、わかりやすかったが、ドラマが始まる前にネタバレをされたという感覚になってしまった。ドラマを見ていても次の展開が読めてしまうので、ドラマとして楽しめたかと言われると、ちょっと微妙だった。もしかしたらもっとドキュメンタリー寄りでも良かったのかなとも思う。
- ドラマのパートでは演出が入るので、脚色はどの程度なされたのか、ドキュメンタリーとドラマをつなげることでどのような配慮がなされたのかということは、少し気になった。
番組制作側から
- 2019年の阪神タイガース、横田慎太郎選手の引退試合での「奇跡のバックホーム」という実話をもとにしたドキュメンタリードラマ。実写映像とドラマが融合した作品にどう仕上げていくかということを考えて制作をした。
- 実際の映像があるところはその映像を生かそうと考えた。実際の映像のない、親子の物語やスカウトとの物語に関しては、ご本人たちに取材を重ねて、事実に基づいて脚本を作りドラマ化していった。エピソードには誇張はない。
「放送番組の種別」及び「種別ごとの放送時間」の報告
2022年4月からの「放送番組の種別」と2021年10月から2022年3月までの「種別ごとの放送時間」を朝日放送テレビ総合編成局長より報告した。
以上