第640回番組審議会 11月22日(水)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 脇阪 聰史 社長、 |
審議課題
『キャスト』
<事前視聴 2017年11月15日(水)
午後4時58分~5時54分放送 午後6時15分~7時>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- スタジオ含めた画面全体、HPもが「やさしさ」につながるオレンジ色が出ていて気持ちが休まる。忙しい時に「やさしさ」を提供するというコンセプトはずっと維持されている。
- ニュースを流し見している人たちにとってチャンネルを合わせる基準は細かい内容よりも誰が出ているのかというところがある。そういう意味でキャストはとても見やすい。スタジオからこぼれる和やかな笑いが良い。
- 冒頭のVTRは番組タイトルが出るまで長かったが、視聴者の関心を引く見せ方で見入ってしまった。
- キャスト内で全国ニュースと関西のローカルニュースを組み合わせた構成は視聴者をうまく引きつけるための工夫だと感じる。
- 浦川泰幸アナウンサーがキャストの顔になったと感じる。全てを結び付ける結節点として間違いなく定着した。
- 浦川アナウンサーは親しみやすいが、突っ込みが鋭くて、アクもあって面白い。古川昌希アナウンサーがメインキャスターのときは、進行もソフトで受け止めやすい。コメンテーターも変にテンションが高くなくて、一意見として聞きやすいと感じた。
- インターネットとの共生が非常に大事。『キャスト』のHPでは動画も見られるのは、素晴らしい。
<番組の課題>
- 報道番組として見ているのでもう少し辛口でも良いかと思う。
- 硬いネタから柔らかいネタまで、1部2部のなかでどう構成して送り出していくのか、そこはなかなか難しいと思うが、この時間帯には硬軟うまく見せるのがこれからの工夫のポイントではないか。
- 番組冒頭で大事なニュースが始まって、深い話し合いになっていたが、途中でチャンネルを合わせたときに内容に入って行きにくいので、始まりはみんなを引き寄せるものがほしい。
- 取り上げるニュースで批判だけにとどまっているところがある。様々な見方があるのだから、取材対象に直接質問をぶつけて返ってくる回答を伝えるなど、もう一つ掘り下げたら、違った印象になるのではないか。
- ニュースの軽重にかかわらず同じトーンで伝えているのには違和感を覚える。拉致被害者のニュースの次におしゃれカフェのネタ。同じように伝えていてメリハリがないように思える。17時台はニュース、18時台はバラエティ、食リポートや旅モノというように、時間帯を分けても良いのではと思った。
- 前振りがなく特集が始まるケースがある。なぜこれを放送するのか作り手の意図がわからないので、内容が入ってこない。そこが明確にないと特集がふわっとしてしまう。他の局でやらないことを扱うのだから、ちゃんと目玉にするべき。
- 夕方時間帯の『キャスト』のような番組は「ライブ感」と「地域密着」の2点に尽きる。ライブ感というのは生中継という意味ではなく、何か新しい情報や見方が絶えず入ってくること。また、ディベート的に全く違う意見を言い合うなど、多様な意見がある、ということをどう見せるかがライブ感や地域独自の情報発信にもつながるのではないか。
- 各局、同じニュースが重なる夕方帯で『キャスト』の売りは何か。視聴者に見たいと思わせるのは大変だが、グルメや芸能などの定番情報ばかりではなく、わざわざ見たいコーナーなど「深掘り」「切り口」を意識すれば、もっと強い番組になるのではないか。
番組制作側から
- 知っている人に話したくなるような知識や話題、また「自分も頑張ろう」と感じてもらえるようなネタを選んでいるつもりだが、日々、試行錯誤しながら制作している。
- スタートしたころはかなり硬派な番組だったが、視聴者が今何を求めているかをもっと考えなければならない、というところから時間帯に合わせた項目を考えたり、また伝え方も工夫したりして、今の形になっているが、課題は色々あると思う。
- 系列局制作の特集を選んで放送することもあり、その場合は再編集できないので、そのまま出している。しかし、企画によっては「今回はここにスポットを当てた」といった前振りをつけたほうがいい、というのはご指摘の通りだと思う。
- ニュースの出しどころが時代によって変わってきている。若い世代がまずスマートフォンでニュースを見る、となると地上波のニュースには何が必要かということが、これから先の課題になってくる。
以上