第591回番組審議会は1月11日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。
〔委員〕
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〔当社側〕 渡辺 克信 会長、脇阪 聰史 社長、 和田 省一 専務取締役、田仲 拓二 常務取締役、 大塚 義文 取締役、松田 安啓 編成局長、 山本 泰弘 広報局長、 今村 俊昭 制作局長、藤田 和弥 東京支社制作部長、 森 和樹 東京支社制作係主任、 橋本 祐子 ラジオ編成担当部長 戸石 伸泰 事務局長、野条 清 事務局員、 北本 恭代 事務局員 |
審議課題
『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』
<事前視聴 12月11日(火)午後7時~9時48分放送>
番組の良かった点
- 「面白くて役に立つ」という大命題は実現されていると思う。非常に面白く見た。
- テンポが良いし、身近な健康トラブルの紹介だったので見やすかった。前の番組「本当は怖い家庭の医学」に比べれば大人しくなったという感じはするが、全て簡単にできる対処法を教えてくれるので、視聴者のポイントは高いと思った。
- 身近な話で、皆が困っていることを、「こういう方法もあるよ。他にも色々あるから考えてください」と教えてくれるのは、アドバイス的になっているので、ものすごく良い番組だと思う。
- この番組の別の回で、麻木久仁子さんが乳がんを早期発見したということを紹介していた。我々は病気になってからではなくて、早く検査に行くべきだというアピールで、非常に大事な警鐘を鳴らしてくれる番組だと評価している。
番組の課題
- ビートたけしさんの名前を前面に出している割には、彼のキャラクター部分がちょっと大人しい。敢えてそうしているのかも知れないが、もう少し彼の面白さとかメッセージを出すところがあっても良いのでは。
- オープニングもエンディングも唐突に始まり、終わっている。ビートたけしさんの番組ならば、たけしから始まってたけしで終わって欲しい。
- 年末スペシャルだからだと思うが、「年内に絶対、治したい」、「今年のうちに解消させる」、「いとも簡単に」、「たった5秒で」などのキャッチコピーが出てくる。最後に「半年くらいすると効果がある」というコメントがあって「なんや」という気がした。
- 例えば頻尿のブロックで、旭川の人の蓄尿力が高いという話を証明するために、旭川と東京の中高年女性を9人ずつ集めて、どれくらい長い間トイレに行かないかを競わせるシーンがあったが、サンプルとしてどうなのだろうか。統計的に考えたら、はっきりいってめちゃくちゃな感じがした。
- 心臓手術のブロックが異質に感じた。他のブロックが頻尿やめまいなど身近な病気とその解消法の紹介だったので、その方向で統一した方が良かったのではないか。
- 心臓病手術の、患者本人の心膜を切り取って弁を作るという話で、心膜を取った後はどうなのか。「自然に再生するから大丈夫」とか、ひと言、字幕でも良いから補って欲しかった。
- 心臓手術のシーンがリアルに出てきたのは、ちょっと苦手なので、チャンネルを変えてしまうかなと思った。
- ナレーションが「恐い、恐い」と煽っている気がする。何か悪い方へ予感させるようなイメージがあって、今回の「こうやったら治りますよ」というストーリーには合わない。
- 最近の傾向だが、スペシャル番組が非常に長い。この番組も、3時間は長過ぎないか。細切れに好きな部分だけを見たら良いようなものだが、何か無理矢理延ばしている感じがする。
- 誰でも健康には興味があるし、健康というのは普遍的なテーマ。高齢化が進む中で、こういうソフトは非常に有効だろう。ただ、健康エンターテインメントと銘打っているが、そもそもエンタメと健康が果たして両立するのかという問題がある。
番組制作側から
- 「本当は怖い家庭の医学」から数えると10年間番組をやってきたので、医療関係者との密接なネットワークができている。こちらから尋ねる前に、医師側からネタを教えてもらうこともある。たぶん他局にはない部分。
- 最も徹底して、エビデンスというか、専門医の最終チェックを受けている番組。またスタッフが、厚さ10センチになる資料を全てチェックしている。健康や医療に関わることなので、番組の生命線として毎回徹底してやっている。
- 医療、健康、ひいては人の生死を扱っているので、それを最優先に考え、その次にバラエティとして何ができるのかということでやっている。バラエティだからこそビートたけしさんを使っているが、たけしさんらしさが全て出ているかというと物足りない部分はあるかも知れない。しかし、たけしさんからは、テーマなどについて色々アドバイスをもらっている。たけしさんの存在感は、実はそういう形で番組に投影されている。
以上