第642回番組審議会 2月16日(金)開催

〔出席委員〕

井野瀬 久美惠 委員長、酒井 孝志 副委員長、
道浦 母都子委員、星野 美津穂 委員
橋爪 紳也 委員、淺井 栄一 委員、
高見 孔二 委員、小松 陽一郎 委員、
北川 チハル 委員、古川 伝 委員

〔当社側出席者〕
脇阪 聰史 社長、
緒方 謙 取締役、山田 裕之 取締役、
清水 厚志 総合編成局長、
株柳 真司 コンプライアンス局長、
奈良井 正巳 チーフプロデューサー、
佐々木 匡哉 チーフディレクター
矢島 大介 事務局長、西澤 萠黄 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

探偵!ナイトスクープ
<事前視聴 2018年2月9日(金)午後11時17分~午前0時12分放送>

 

委員の主な発言

<番組の評価点

  • 金曜日の夜、やっと1週間終わったリラックスタイムに「何でこんな馬鹿馬鹿しいことをするのか」ということもあるが、意外な展開や感動があったりして、色々なドラマが見られるのが面白い。
  • 3本編成が良いバランスになっている。それぞれ毛色の違うものが紹介されることでアクセントがつく。涙もろい西田敏行局長と探偵の安定感が安心して見られる番組になっていて、長寿につながっているのだなと思った。
  • 特に3本目の依頼(3歳の時に小樽運河でバイオリンの路上演奏を聴いて自分も習い始めた少女が中学生になり、「お礼を言いたいのでこの『バイオリンおじさん』を探してほしい」)は、すごく感動した。虚構ではないところから生まれた非常に優れた物語が見ているものの胸を打つ。
  • この番組の魅力は「人間臭さ」。探偵が足を運んで身体を使って、しんどい思いをしながらも笑いと思いやりを忘れずに依頼に応えようとする姿が伝わってくるので、見ている側も心を揺さぶられる。
  • 30年もやっている番組で、こんなに見られている一番の理由はバランス。子どもからおじいさんまで出る、馬鹿馬鹿しいものも感動させるものもある。普通、馬鹿馬鹿しさと感動は相容れないが、この番組は相容れている。悪いところも含めてバランスがうまく取れている。多様性があれば、それで良いのではと思う。

 

<番組の課題

  • 放送日によって出来不出来の差が大きいように思う。
  • しっかり伝統を培ってきた番組だが、革新や新しい風を入れないと伝統は続かないと思う。例えば探偵にも女性やメチャクチャなことができるキャラクターなど新鮮さを入れたらどうか。
  • 以前、有名な芸能人からの依頼を受けて、視聴率が上がったと聞いた。時々有名人からの依頼も取り上げてみてはどうか。
  • 自分の周りに「3本のうち、面白いものだけ見る」「見る回数が減っている」という人がいた。今のスタイルを変えるのはなかなか難しいだろうが、番組にもライフサイクルのようなものがあって、盛り上がる時もあればちょっと落ちて行く時もあると思う。その時にどうして行くのか。
  • 1本目の「餅飲みをやってみたい」という依頼は、高齢者の死因にもなりかねないのに、なぜその地域にはそんな風習があるのか、何か伝説でもあるのかなど、ちょっと違う方向からの見せ方もあったのではと思う。
  • 朝日放送の看板番組であるならばリスク管理など守らなければならないものがある。1本目の依頼にあった、卵や餅の丸呑みなどは危ない。ずっと見ている人なら伝わるという番組のスタンスは初めてみた人には伝わらないので細心の注意が必要。
  • 時代が変わって、「探偵がこの人だから」だけですまなくなってくるところがあると思う。エクスキューズ、リスク管理、内容のフォローそれぞれに「ナイトスクープらしさ」が絶えず求められている。

番組制作側から

  • 今年3月で30周年を迎える長寿番組で、一般視聴者から寄せられた謎や疑問を探偵に扮したタレントが解決していくスタイルは、番組開始当時からずっと踏襲されている。他の番組では出来ない取材も「『ナイトスクープ』だから」と許可が出ることも多く、それは番組を信頼してもらっているからだと思う。
  • 寄せられた依頼には全て目を通しているが、ずっと面白いネタを出し続けることは難しい。ただ、面白いネタを固めた「ホームラン」の回を作るようにしている。 その方が「昨日はおもろかったな」と思ってもらえる。 
  • 以前に比べて、個人情報の扱いが厳しくなったので、人探しが難しくなり、そこは苦労している。
  • ただ、スタッフは「伝統」ではなく、「ちょっとでも新しいことを」「他のディレクターより面白いVTRを」と思って作っている。
  • とにかく、視聴者から依頼がないとこの番組は前に進まない。依頼者の人生の思い出ベストテンに入るような場に立ち会えたらいいな、と思って依頼を選んでいる。「『ナイトスクープ』だから許される」というところにあぐらをかくことなく、作り続けて行きたい。


以上