第655回番組審議会 5月24日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、酒井 孝志 副委員長、
淺井 栄一 委員、北川 チハル 委員、
小松 陽一郎 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、古川 伝 委員、
星野 美津穂 委員、道浦 母都子 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 社長、
緒方 謙 常務取締役、清水 厚志 取締役総合編成局長、
株柳 真司 コンプライアンス局長、
大幸 雅弘 制作部長、
高木 伸也 プロデューサー、
安田 武史 事務局長、石原 康男 事務局員、 
北本 恭代 事務局員

審議課題

相席食堂』  
<事前視聴 2019年4月16日(火)、5月7日(火)午後11時22分~午前0時22分放送>

委員の主な発言

<番組の評価点

  • 地方で有名人がロケをする。食べ物が中心にはなるのだろうが、スギちゃんの回でお寺の鐘をついたように、地元の人とふれあいながら地域を紹介する視点がいい。また、その旅のビデオを突然ボタンを押してバーンと遮断してしまう発想、ハチャメチャな手法が非常に面白い。
  • 誰が相席旅をするのかで各回の面白さに差が出るが、それを盛り上げる千鳥のトークがすごく進化している。ふたりともクセが強いが、場の空気をほのぼのとさせる不思議な魅力がある。
  • ハマっている人は、深夜という時間帯に「ながら視聴」でリラックスして見ていて、空気感が良いという。理屈やコンセプトではない面白さがあると思う。
  • 千鳥のツッコミが番組を面白くしている。特にワードセンスがすごく良い。芸人が笑いのポイントをこう見ているのかとわかって面白い。
  • 深夜で腹を抱えて笑ったのは久しぶり。出来不出来はあるがビデオを面白くする言葉のセンスが天才的。「ちょっと待てぃ!」でビデオを止め、ときには同じ場面を何度もリピートして突っ込むのは、千鳥とビデオが漫才をやっているようで今までに見たことがない面白さ。
  • 今の千鳥はすごい人気で、その千鳥をうまく使っている。普通は、ビデオを見て笑っているスタジオの様子を画面の隅に見せるだけだが、ビデオを止めてきちっと突っ込んで遊ぶという手法はすごく面白い。なかなかない手法だと思う。
  • 新しい笑いを千鳥を司会者にしてやろうとしているのがわかる。もっと尖って、なおかつあの面白さに共感できる視聴者を増やす路線でいってほしい。
  • 全体的にハチャメチャな感じで、若い世代やついていける人にはこんな面白い番組はないのだと思う。昭和レトロ漂うセットには好感。


<番組の課題>

  • 番組スタート当初から「内輪感」を強く感じる。その回のノリにはまらないと「おいてきぼり感」も強く感じてしまう。
  • ついていけるときは良いが、視聴しながら途中で冷める時もある。
  • とりとめのない話題が堂々巡りのごとく続いていて、出演者が自分たちだけで楽しんでいるように感じた。
  • 「相席」の仕方に番組の定番スタイル、「このように地元の人と相席するのがこの番組のスタイルだ」というのが無くて、そこに工夫があればもっと新しい展開がありそうな気がする。
  • 30分番組のときは面白かったが、後半のコーナーも結局前半と同じスタイルでビデオにツッコミを入れている。もっと変えてみてもいいのではないか?
  • 30分番組を1時間に引き延ばして後半の勢いがなくなるように感じた。30分のときのほうがダダッと笑って終わるという感じだった。
  • 後半は試行錯誤中で、いろいろトライしているのかなと思う。テレビ離れが進む若い世代に響く内容を考えてほしい。
  • 千鳥がツッコミを入れる対象はビデオのどこの部分なのか?今は、ビデオに登場する「人」にしか突っ込んでいないが、これでは笑いの幅が狭くなる。もっと広い意味でビデオの様々な内容をネタにしてツッコミを入れていけば、内輪の笑いではない広がりが出てくる。
  • 後半、ネットで調べたらすぐに答えが見つかる「謎」について1回の放送で完結させず、2週にまたげるのは理解できない。視聴者にイライラ感が残るのではないか。

番組制作側から

  • この番組は、ある意味「千鳥の漫才を見てください」という番組。ロケのビデオで完成ではなく、そこに千鳥がツッコミを入れていくとどう面白くなるかを狙っている。
  • 「わかる人にだけわかってもらえれば良い」というような姿勢では作っていなくて、今のテレビは説明し過ぎだと思ってこのような番組のスタイルにしている。今の時代、視聴者はテレビを見ながらでも気になることはスマホで調べると思う。そこは視聴者に任せて、この番組は情報以外のもので見せたいと思っている。ただ、内輪感を感じるという問題はあると思っていて、そこは解決していきたい。

以上