第653回番組審議会 3月8日(金)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
審議課題
『所有者不明!!解決!空き家バスターズ2』
<事前視聴 2019年2月17日(日)午後6時30分~8時54分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- 「空き家問題」に関して、知らなかったことだらけで今回の番組で改めて大問題だと認識した。また、問題提起だけでなく解決に向けての努力もしており社会にも貢献しているコンテンツだと思う。
- その物件がある土地の歴史をたどるところからアプローチを始めていって、とても興味深かった。聞き込みでも、所有者だけではなく聞き取りをしている方の人となりまで、鮮やかに引き出しているので、うまいなと思った。
- 「空き家問題」はこれからますます深刻になっていくと思う。番組では、本当にこれで良いのかと考えさせられるような深刻な問題もあぶり出されている。視聴者もこの番組の続きを待っていると思うし、私もその一人なのでこの番組は続けて欲しい。
- 相続放棄しても管理義務があるということから落下物や火災で他人への損害賠償責任が発生するということ。相続放棄しているので売却も出来ない、一方で管理義務だけが残るという。このように空き家に関する法律などを具体的に分かりやすく解説していくこともこの番組の大切な役割だと思う。
- 面白い番組になる可能性がある。社会問題となっている空き家を題材に面白いバラエティ番組になっている。解決するだけではなく、そこにどういう人が住んでいたのか、人生、人間模様が見えて興味深い。
- 所有者の思い、解体費用、法的問題等で所有者、関係者がアクションを起こさない、または起こせない、様々なケース、問題があることが浮き彫りになっていた。この番組が「空き家問題」の解決に貢献していくことを期待する。
- 最後の水戸のケースは、主体となるのが3人の水戸バスターズ、即ち住民たちで、そこを番組が応援するという形だったのですごく理解を得られる形かなと感じた。
<番組の課題>
- これは個人の問題だけではなく行政の問題でもあるので行政を巻き込んでやらないといけない。
- この番組に限らず、一言で言うと2時間半は長い。ひとつひとつのケースは納得感があって面白い内容だが、長いがために中身がバラバラになってしまったのではないか。
- インターネットで地積測量図や登記情報などが見られるのに、所有者探しが「近所の人に聞く」というのではどうも安易な気がする。
- この番組にもう少し欲しいのは空き家になったその家に対する愛情とか愛着。「大改造!!劇的ビフォーアフター」や「ポツンと一軒家」には人間ドラマとしての愛が基本にある。この番組は空き家に対しての愛をどう表現するかチャレンジしていけばすごく面白い番組になっていくと思う。
- 番組制作側の立ち位置が偉そうというか、「自分たちが正しいんだ」という立場に立って、色々な案件に対して対処していると感じた。一般の方々が主役で前に立って、スタッフとかアナウンサーはあくまでも一般の方をサポートする側に回るべきだと思う
- 困っていて何とかしたいと思うのは、空き家の主なのか、あるいは周辺の人たちなのか、それこそ様々なケースがあると思う。そこをもう少し明確にすると、解決が何なのかがきめ細やかになると思う。
- 所有者がほったらかしにしていた事実は紛れもない。どうフォローしても所有者がテレビという公の場で吊るし上げられるように見え、大きなお世話だと思う視聴者もいるのではないかと思う。
番組制作側から
- 番組制作側も法律や制度とか知らなかったことがいろいろある。視聴者の方にも「へぇ~」と思っていただいて、「空き家問題」の状況が良い方向に変わるよう一石を投じられたらと思っている。
- 空き家の所有者を探してもたどり着かないケースやたどり着いても断られるケースも多い。「空き家バスターズ」はその問題に携わる人に寄り添っていければと思う。
- 見え方というのは本当に難しく、何十年も帰っていないという方が今回は多かったので、その方々がいたずらに悪者に見えないようにできるだけ配慮して作ったつもりではあるのですが、配慮して優しいナレーションをつけてもそう見えてしまうのではないかということに関しては、課題としてさらに検討します。
- バラエティ番組という色々な人に見てもらえる敷居の低い中で「空き家問題」を知ってもらって、制度や近隣の取り組みなど、何か少しでも良い方向に変わったら良いなと思う。
以上