第703回番組審議会 4月12日(金)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
審議課題
『ドローンで探検!飛んで見にいく謎の島』
<事前視聴 2024年3月31日(日)午後4時25分~5時25分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- 島国日本の魅力再発見につながるような企画だ。ドローンのリアルな空撮映像を活用し、視聴者が鳥のような視点で探索を楽しめる工夫がされていると思う。出演者とともにミステリー体験を味わいながら謎解きに参加しているように感じられた。まだまだ謎に満ちた島があると思う。ぜひ今後も探検して、番組を届けてほしい。
- 旅的な要素としての心地よさがあった。古い写真が出てきたり、子どもの頃の花火の思い出の話があったり、昭和の歴史や暮らしなどノスタルジーを感じるものがあった。
- 今回は、無人化した島だったが、今まで人の住んだことがない無人島に行くのも楽しそうだと思った。プラントハンターのように、見たことのない植物を撮影するのもいいなと思いながら見ていた。
- ドローンで上から撮影した映像では見えないところがあったが、後で実際に建物の中に入って人が住んでいた形跡が見られたり、かつて住んでいた方の話を聞いたりと楽しく見ることができた。次が見たいと思える番組だった。
- 遠くの世界や知らない世界を見せてくれるのがテレビの本質だが、そういう意味でもこの番組は素晴らしい。集団離島の背景や島の伝説など、かつてはこんな島だったということを知ることができて面白かった。
<番組の課題>
- もっと「謎の島」感を出したほうがよかった。例えば、「断崖に立つ謎の仏像!」とか「風に揺れる謎の球体!」のように最初に謎を示したほうが楽しめると思う。軍艦島のように有名な島ではなく、普通の島でも謎があるということをメインにしたほうがよいと思う。映像や文献をもっと掘り起こして島のヒストリーのようなものを見せてはどうか。
- 専門家を招いて、離島問題であったり生態系の外来種の問題であったり、ちゃんと説明する部分があったほうがよかったと思う。離島に関しては、様々な分野の専門家が様々なことを研究していると思うので、テーマごとに専門家がいるほうが深みが出ると思う。
- 番組タイトルから受ける印象と違い、ディレクターが探検する服装ではなかったり、専門家が藪を刈って危機感もなくカメラが入っていたりと探検をしている感じではなかった。
- まだドローンをよく知らない人もいるので、番組で使用したドローンの「ここがすごい」といった性能の紹介とか、ドローンの規制などにも触れて、「ちゃんと安全に使っている」という番組の姿勢を伝えてもよかった。
- 興味を引く内容があっても、その後の展開に意外性がないので、盛り上がりかけた気持ちがトーンダウンすることを繰り返すことが多かった。危険なことはできないが、探検というと「インディ・ジョーンズ」のようなものを期待してしまうので、満たされない感じがした。
- 例えば、伊能忠敬の『伊能図』にあの島は載っているのだろうかとか、尼子姫の話をもう少し掘り下げるなどするともっと広がるのではないだろうか。そういうものが入ると、子どもも楽しめる番組になると思う。
- 細かいところだが、たとえ下調べをしていて島のことがわかっていたとしても、スタッフのコメントにそれを感じさせない配慮があるとよかったかなと思った。番組が視聴者と同じ目線で謎解きを進行させていくところがワクワク感につながっていくと思う。
- 今回なぜ羽島だったのかがよくわからなかった。視聴者にとっては、いきなりだった。1万何千もある島の中でなぜここを選んだのかという説明か何かがあるとよかった。
番組制作側から
- 日本には1万4千以上の島がある。その中には謎に満ちた島がたくさんある。今回、ドローンを使って島を撮影し、鳥目線で視聴者も一緒に楽しんでもらえるようなコンテンツを企画した。
- 「探検」とうたっている以上、ワクワクする感じをもっと大事に、映像に収めたものをどれだけ深めるのか、情報の価値をさらに上げるためにはどうすればいいかというところに、もっとこだわっていけたらと思う。頂いたご意見は、今後に生かしていく。
その他
- 2023年10月から2024年3月までの「放送番組の種別」及び「種別ごとの放送時間」、2024年4月の「基本編成・番組種別表」について報告した。
以上