第701回番組審議会 2月16日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、小松 陽一郎 副委員長、
北川 チハル 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、原 美和 委員、
星野 美津穂 委員、松山 秀明 委員、
山浦 一人 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 代表取締役社長、
今村 俊昭 取締役、中村 博信 取締役、
飯田 新 総合編成局長、
吉村 政人 コンプライアンス局長、
西尾 理志 東京コンテンツビジネス部長、
塩崎 拓 プロデューサー、
木村 佳麻里 事務局長、石原 康男 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

『K-POPドック!』
<事前視聴 2024年1月20日(土)深夜24時~24時25分放送>

委員の主な発言

<番組の評価点>

  • 地上波では見たことのない雰囲気の番組で、新鮮に感じた。30分間で見やすく、テーマも1組に絞っていて良かった。MCの古川優香さんとゲストの森香澄さんのトークが心底楽しそうで、二人の魅力もよく伝わってきた。
  • 第1回ゲストの森香澄さんは、トークが聞き取りやすく、推しのアーティストの紹介や解説、思い入れが大変わかりやすく伝わってきた。ドック(オタクという意味)らしい熱量も程よく出ていて好感を持った。
  • 好きなことについて好きな人同士で語るというシンプルな構成で、映像素材もふんだんに使用し、幸福感の伝わる番組だった。K-POPにそれほど興味があるほうではないが、ダンス動画やK-トレンドコーナーも楽しく、この番組で世界が広がった。
  • K-POPに興味はあったが、いまさら人に聞けないと思っていた。今回この番組が入り口となって、いろいろな情報が得られた。ドックの人にとっては、お互いの気持ちをわかり合える楽しい番組だったと思うし、K-POPを知らない人にとっては学べる番組だったと思う。
  • K-POPグループはグローバル化していて、ライブや音楽配信だけではなく、旅行やダンス、ファッション、語学、異文化交流などにもつながる。そこには、新たな経済圏が生まれている。こういう分野に果敢に挑戦することは、放送メディアとしてやっていかなければならないのだろうと思う。
  • 最近、特定の分野の熱心なファンをターゲットにした番組が各局で展開されている。この番組もK-POPとその熱烈なファンにフォーカスを絞っていて良いと思う。

 

<番組の課題>

  • アーティストのファンから見ると、すでに知っている情報に留まっていると感じた。コンサート映像など既存の映像だけではなく、独自に取材したものやファンの知らないストーリーなどをもっと見たいのではないかと思う。
  • K-POPオタクをターゲットにするというコンセプトは良いが、メンバーの顔写真を見て名前を当てるという演出は普通だった。ターゲットに合わせてもっと遊ぶとか、もっと専門的にするなど演出方法はあると思う。
  • 若い人はK-POPが好きなので、日本のテレビがK-POPをどう扱っていくのかは重要だと思う。ただ、この番組のターゲットはよくわからなかった。基本的には、K-POPを全く知らない人にわかりやすく伝えることを主軸にすべきだと思うが、その中にもコアなファンだけにわかる合図やモノなど小さな演出を散りばめてみると、コアなファンも楽しめて、SNS展開にもつながるのではないかと思う。
  • 日本でも若者文化をどう作っていくかという視点を持ってほしい。深夜番組は、失敗してもいいから「こんな番組よく作ったな」と言いたくなるようなワクワクさせてくれるものを作ってほしい。それがテレビを変えるということだと思う。
  • K-POPは、YouTube、X、Instagram、TikTok、などを駆使したメディア戦略がものすごい。その状況の中で、日本のテレビがそこに入りこむ隙はあるのだろうかと感じた。
  • コンテンツビジネスという点では、どうすれば日本で売れるかではなく、どうすれば世界に通じるかという視点で掘り下げてほしい。
  • ドック検定などを見ていると、出演している二人の熱い気持ちはよくわかるが、二人にはもっとドックならではの特別なこだわりもあると思う。そのようなすごい話があれば、見る側も驚いたり感心したりするのではないかと思う。

番組制作側から

  • 『K-POPドック!』というタイトルの、「ドック」というのは韓国では「オタク」という意味の言葉。今回、韓国アーティストに詳しいゲストを一人招いて、今話題のK-POPアーティストを熱く、深く紹介しようという番組を企画した。
  • 地上波テレビが海外戦略や若者文化にどう取り組んでいくのかという視点からのご意見には、新しい発見もあった。
  • 今後は、番組独自の映像も取り入れていきたい。収録スタジオのある東京タワーを中心にして、この番組からの発信で人が動き、物が動き、何か新しいムーブメントのきっかけになればよいと考えている。

以上