第700回番組審議会 1月12日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、小松 陽一郎 副委員長、
北川 チハル 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、原 美和 委員、
星野 美津穂 委員、松山 秀明 委員、
山浦 一人 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 代表取締役社長、
今村 俊昭 取締役、中村 博信 取締役、
飯田 新 総合編成局長、
吉村 政人 コンプライアンス局長、
辻󠄀 史彦 制作部長、芝 聡プロデューサー、
木村 佳麻里 事務局長、石原 康男 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

『速報!M-1ネクストデイ~王者誕生までの舞台裏~』
<事前視聴 2023年12月25日(月)午後8時~9時54分放送>

委員の主な発言

<番組の評価点>

  • 『M-1グランプリ2023』の興奮が冷めない翌日に放送したのは正解だと思う。『M-1』を見た人からすれば記憶に新しいうちにその裏側が見られるし、見ていない人でもわかるように作っていた。
  • 昔の賞レースとは違い、今はスポーツのように他のファイナリストに自分の漫才のすごさ、技能の確かさを見せるところがメインになっていると思う。ライバルを称賛するなどずいぶん変わってきたと感じた。
  • 舞台裏の芸人たちの表情とか、他の組を送り出す姿やねぎらっている姿に仲間愛を感じた。賞レースであればもっとギスギスしていそうなものだが、彼らの温かい姿を見て今どきの若者なのだなと思った。
  • 令和ロマンがネタを4本用意していて、お客さんに合わせて変える想定だったということを知り、実力と洞察力を感じた。その他の組にも驚く裏話があり、『M-1グランプリ』を見た人からすれば貴重な内容だったと思う。
  • 短期間でここまで編集したことはすごい。特に番組ラストのVTRを1日で作るというディレクター陣の編集力には脱帽する。CM中の様子とか、他の芸人のネタを見ながら話すファイナリストたちとか、当日の裏側が見られたのはとても面白かった。
  • 『M-1グランプリ』のCM中に審査員が何を考えていたのかを映したのは新鮮だった。審査員は本当に真剣に審査していると思った。
  • 被災地の復興にお笑いのコンテンツは必ず役に立つ。普通の生活を取り戻していったり、娯楽の少ない中で、こういうコンテンツが勇気づけたり、力づけたりすることはたくさんあると思う。

 

<番組の課題>

  • 『M-1グランプリ』には派生番組が多く、裏側を見せるという点では『M-1アナザーストーリー』もある。それとのすみ分け、この番組の位置付けがよくわからなかった。
  • ゲストの話よりネタ作りの苦労や漫才の面白さをもっと見せてほしかった。『M-1グランプリ』は漫才の真剣勝負を見る番組。『M-1ネクストデイ』は漫才の裏側の面白さとか楽しさとかを見せるといいと思う。
  • 漫才中の審査員の顔がもっと見たいと思った。『M-1グランプリ』の決勝の放送では見ることのできない表情なので、例えばさや香の2本目のネタの時に、審査員がどういう表情をしていたのかを見せるだけでも1日後に放送する意味があると思う。
  • 『M-1グランプリ』の舞台セットにファイナリストたちやゲストが座っていたことに違和感があった。あの舞台は神聖な勝負の場であって和気あいあいと談笑する場ではないと感じた。ファイナリストが全員集まるのはとても贅沢なことだとは思うが、それよりは決勝戦の翌日「あのファイナリストは、今どこで何を考えどう過ごしているのか」というような個々に焦点を当てた番組を見たかった。
  • 翌日に放送するための準備は並大抵のことではないし、できることに限りもあると思う。『M-1グランプリ』はレジェンド級の番組なので、急いで『M-1ネクストデイ』を作ることが、そのレジェンド感を損なうことにならないでほしいと願う気持ちもある。
  • バラエティとドキュメンタリーの融合をしようという試みだと思うが、ドキュメンタリー部分では非常に良いが、バラエティと融合した時にしっくりこないと感じた。もっと新しい挑戦があってもよかった。

番組制作側から

  • 「速報で舞台裏を届ける番組」として企画した。『M-1グランプリ』の決勝の生放送では映っていない舞台裏、本気で悩んでいる審査員の表情や、ライバルではあるが同志でもあるファイナリストたちの姿など、貴重なシーンを一つでも多く届けることを目標にして制作した。
  • 『M-1グランプリ』で9位や10位になった組も、8千組以上の中から選ばれたトップクラスの漫才師だということも伝えたかった。

以上