第697回番組審議会 9月15日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、小松 陽一郎 副委員長、
北川 チハル 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、原 美和 委員、
星野 美津穂 委員、松山 秀明 委員、
山浦 一人 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 代表取締役社長、
今村 俊昭 取締役、中村 博信 取締役、
飯田 新 総合編成局長、
吉村 政人 コンプライアンス局長、
木村 佳麻里 事務局長、石原 康男 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

『いま、テレビの役割を問う ~地域に貢献するメディアであり続けるために~』

委員の主な発言

<地域報道の重要性>

  • 報道全般に力を入れ続けてほしい。特に命にかかわる情報をいち早く正確に伝えることを死守してもらいたい。地域にとって災害報道や災害情報はとても重要なので、しっかりコストをかけてほしい。収益という面では、報道の延長線上で二次利用のできる良質なコンテンツを増やしていくことも必要だ。
  • 放送エリアの異なる放送局が合同で、「同じ放送ができるように」という方向になりつつある。地方局の経費削減というのはわかるが、複数の地域で同じ放送をするようになると情報の空白地帯が生まれる。今、地域で何が起きているのかをきちんと伝えるメディアは、その地域のテレビや地方紙しかないのではないか。
  • 今のテレビは、大都市偏重になっているようにも感じる。もっと地方を大事にしてほしい。

 

<地域に閉じず、全国や海外にコンテンツ展開>

  • 動画配信時代になったが、テレビ局にとって負の側面だけではない。TVerでボーダーレスに地域発のバラエティなどが視聴できるようになった。新しい伝送路を活用して利益を生み出すことも可能だ。その先には当然海外展開がある。
  • 収益を上げるにはグローバル展開に力を入れるべきだ。地方局はキー局と比べてその割合が少ないので、伸びしろは十分にあると思う。ただ、そのままのコンテンツで海外に認めてもらうのは無理があるので、作り直さなくてはいけないだろう。
  • ドキュメンタリーやドラマ、バラエティ番組を海外に展開することは、テレビ局の新たな役割だと考えている。海外の団体と共同制作するなど様々なノウハウを持った人材を育成し、視聴していただく方々を幸せにするという目標を世界に広げていくのが、テレビ局の役割だと思う。

 

<地域を変える姿勢>

  • 高校野球における甲子園のように、イベントと放送の連動で、ある場所をある分野における聖地にしていくことができる。それで何か新しいクリエイティブなことを生み出せるのがメディアの最大の力だ。いろいろな地域で「何々の最終決戦はここだ」というようなところができれば良いなと思う。
  • 地域を変えることを具体的に企画してほしい。新しいものを生み出してほしい。テレビという媒体が持つ力を最大限に生かして、何が変えられるのかということを意識してもらいたい。そしてそれがコンテンツとして面白いものになっていくことが一番だと思う。

 

<放送の信頼性>

  • フェイクニュースが横行している状況の中、放送と地域との信頼関係が危うくなっていると感じる。地域に貢献できているのかどうか危機感を持つべきだ。
  • テレビが地域に貢献するメディアであり続けるためにも、ジャニーズの問題については十分に検証して姿勢を示し、視聴者の信頼を損ねることのないように、これから大人になって社会を支えていく子どもたちの期待を裏切らないようにしてほしい。
  • ジャニーズの問題は、放送局がスピード感を持って、根本の問題として取り組まないといけないのではないかと感じている。

朝日放送テレビ出席者から

  • 報道や災害情報の重要性ということでは、常にしっかりと認識して業務にあたっている。地域に貢献するのは、放送局として大前提の話だと考えており、放送対象エリアは2府4県と広いが、地域との連携はさらに新しいものがないか模索し、丁寧に取り組んでいきたい。ジャニーズの問題に関しては、「マスメディアの沈黙」と言われた指摘を非常に重く受け止めている。テレビの根本である信頼というものをどう取り戻していくかという課題だと考えている。

その他

  • 2023年秋の番組編成について説明した。

以上