第692回番組審議会 3月10日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、小松 陽一郎 副委員長、
北川 チハル 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、原 美和 委員、
星野 美津穂 委員、松山 秀明 委員、
山浦 一人 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 代表取締役社長、
小倉 一彦 常務取締役、今村 俊昭 取締役、
幾野 美穂 総合編成局長、
西澤 萠黄 コンプライアンス局長、
辻󠄀 史彦 制作部長、矢野 政臣 プロデューサー、
木村 佳麻里 事務局長、石原 康男 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

『東野幸治は移住したい』
〈事前視聴2022年12月30日(金)午前8時50分~9時50分放送〉

委員の主な発言

<番組の評価点>

  • 60歳で田舎暮らしがしたいという東野幸治さんに共感する視聴者は少なくないだろう。特に都会で忙しく一生懸命働いてこられた方が、田舎でのんびり、ゆっくりしたいという思いを持つのは自然なことのように思う。今回のような企画はバラエティとして成功しやすいと思う。
  • カヌーでの川下りは素晴らしい風景で心が洗われる。別海町が大自然あふれる素晴らしい場所だということが伝わった。
  • 案内役の“おせっ貝D”というキャラクターは、インパクトのあるビジュアルにもかかわらず行動はとても真面目で案内役に徹していて、決してはしゃがない進行ぶりが良かった。
  • “おせっ貝D”はいいアイデアだと思った。いい感じに東野さんが突っ込んでいたし、東野さんが引き立つので相棒として良い。この番組を磨いてシリーズ化していくのを楽しみにしたい。

 

<番組の課題>

  • メインの東野さんにはトーク力があるので、安定した面白さがあると思うが、移住をテーマとした番組として特色を出せているかと言われると、その点は足りていないかなという印象だった。地方のメリットを紹介すると同時にデメリットも紹介しないと、移住のリアリティはないと思う。
  • 旅番組としてはすごく面白いと思うし、移住の捉え方もそれでいいと思うが、もう少し町の様子とか町の人が出てきて交流する場面があった方がよかった。
  • 60歳を間近に控えて次のステップ、移住をするとか、新しい世界に飛び込むとか、そういう方がターゲットなんだろうなというのは、BGMを聞いていても感じたが、移住とか新しいものが知れる番組だと思って見ると、情報が少なかったと思う。家の価格や家賃の相場とか、日常生活をするためのスーパーや学校、病院はどうかとか、飛行機は何便飛んでいるのかとか、そういう情報は入れてほしい。
  • コロナ禍以降、移住というテーマはとても大きくなっているが、移住とはそこに住んで生活するということ。移住には良い面もあれば悪い面もあって、移住で失敗するケースで一番多いのが、地域になじめないなどの人間関係だという。そのようなところも描いてほしかった。
  • すごく楽しい番組だった。ただ、移住した人が町の人とどうコミュニティが作れてどんな暮らしができるのかというところまで突っ込まないと、なかなか移住にはつながらないだろうなとは思った。
  • 移住というのは定住みたいなイメージがある。今回は観光ではないし、定住でもなかった。二拠点生活みたいな概念をもう少し明確にしたほうがよかったのではないかと思う。
  • 移住の概念について、そこにずっと住むということではなく、人生の中でフレキシブルに自分の居場所を考えるというような、今までとは少し違う切り口があればよかったと思う。
  • 狩猟の場面では、もう少し命をいただく動物への敬意を表現してほしかった。
  • タレントの願望を達成するという形で番組を制作しているが、そういう番組を視聴者が見てどう感じるのだろう。内容は面白いが、違和感のある番組もしばしばある。そこが少し気になった。

番組制作側から

  • 東野幸治さんがラジオで語った「どこかに移住したい」という話を聞き番組を企画した。50歳を過ぎて60歳までには仕事を整理してということだったが、完全移住というよりは、二拠点生活という方が表現としては正しかったのかもしれない。次の機会があれば、いろいろな地方に居場所を作って、その町の魅力を発見していくというようなことを考えたい。

その他

  • 2023年春の編成について説明した。

以上