第690回番組審議会 1月13日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、小松 陽一郎 副委員長、
北川 チハル 委員、高見 孔二 委員、
谷口 真由美 委員、橋爪 紳也 委員、
原 美和 委員、星野 美津穂 委員、
松山 秀明 委員、山浦 一人 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 代表取締役社長、
小倉 一彦 常務取締役、今村 俊昭 取締役、
幾野 美穂 総合編成局長、
西澤 萠黄 コンプライアンス局長、
米澤 公章 考査部長、辻󠄀 史彦 制作部長、
三田 秀平 プロデューサー、木村 佳麻里 事務局長、
石原 康男 事務局員、北本 恭代 事務局員

「朝日放送テレビ番組基準」改正の諮問

「朝日放送テレビ番組基準」の改正(4月1日付)について諮問し、番組審議会より妥当であるとの答申を受けた。

審議課題

『新婚さんいらっしゃい!』
〈事前視聴2022年12月18日(日)午後0時55分~1時25分放送〉

委員の主な発言

<番組の評価点>

  • 藤井隆さんは、柔らかい印象が現代の雰囲気に合っている。井上咲楽さんも好印象。二人とも自然体で、出演者との距離の取り方がとても上手だと感じた。一般の方々の人生を垣間見て心を寄せるというのは、『ポツンと一軒家』にも通じる魅力があるように思う。
  • 司会が藤井隆さんと井上咲楽さんに代わったが、二人とも肩に力を入れずにやっているところがいい。気楽にやっているというか、一歩引きながら、出演された方の話を楽しいと言って盛り上げようとする、それが素晴らしい。
  • 長寿番組なのでフォーマットに古さは感じるが、出演される方が皆さん個性的なので、トークが面白く引き込まれる。審議課題となった回も、コロナ禍での恋愛ということでこの時代らしいテーマだった。
  • 超がつくほどの長寿番組は、とにかく生き残ってほしい。この番組は、今は少なくなった視聴者参加番組であり、大阪で作る全国ネット番組でもある。長く続く番組は、テレビの歴史でもあるので意地でも残してほしい。今回もコロナ禍で、お弁当を作って持っていったが、少し離れたところに置いて渡したという話が出てきた。20年後、30年後に見たらコロナで大変な時代があったということがわかる。そういう意味で時代をちゃんと映している。
  • 一般視聴者の方が、自らの面白いエピソードを語るというのが、かつて大阪の民放各局で競い合っていたバラエティ番組の定番スタイル。今は多くの番組が芸人のエピソードトークばかりになったので、この番組が継承されていることはとても大事だと思う。大阪制作番組の伝統を背負ってほしい。
  • 司会の二人は代わったが、音楽や登場の仕方などは変わっていなくて懐かしさがあった。桂文枝さんと山瀬まみさんが長く続けた番組なので、藤井さんと井上さんにはプレッシャーがあると思うが、優しさが感じられ好感が持てる。個人的には「YES/NO枕」とか「海外旅行」か「たわし」かというペアマッチのゲームが楽しかったので、なくなっていることは残念に思った。


<番組の課題>

  • 出演された方の幸せな話を聞けるのは良いのだが、「奥さん」や「旦那さん」というような呼び方をしているとか、まず「男性」から紹介するとか、伝統的な夫婦観も感じる。今の社会課題に適応しようという努力は見えるが、時代の変化のほうがもう少し早いのではないかと感じる。
  • 初等教育の世界では、ジェンダーに配慮した言葉を積極的に選択するという傾向が高まっている。そういう環境で育った人たちも違和感なく親しみやすい番組であってほしいと思う。例えば、名前で呼ぶのでも良いのかなと感じた。
  • 何回かに1回は、もっと多様なパートナーの形があるとか、幸せの形は多様であるということがわかるようなものも取り入れる。そんな方向性で伝統を継承してほしい。
  • 必ず出会いのきっかけから話が始まるなど、番組がパッケージ化しているように感じた。素人感みたいなものが薄れ、話の脱線が少なくなったような印象がある。素人であるが故にトークの型が必要だということはわかるが、ハプニング的なものこそ視聴者参加番組の最大の魅力だと思う。

番組制作側から

  • 貴重なご意見をありがとうございます。今、本当に幸せのあり方が多様化していて、男女の考え方も変わってきている中で、司会の藤井隆さんもその辺を敏感に感じている。司会、制作サイドともにしっかり考えて番組を制作していく。
  • この番組の良さは、人を描いていくことだと思っている。これからも守るべきフォーマットは守りながら、新しい時代へと転換していく新たな『新婚さん』をお届けしたい。

以上