第686回番組審議会 7月8日(金)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
審議課題
『防犯カメラが捉えた!衝撃コント映像』
<事前視聴2022年6月18日(土)、7月2日(土)深夜0時5分~0時35分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- 「防犯カメラの視点でコントを見る」という発想はすごいと思う。コントの型の一つに、普通にある日常を違う角度で見る面白さというのがあるが、この番組は「防犯カメラの視点で見る」ということで、その日常を見る角度が違っていて、うまく作っているなと思う。スタジオでは、後藤輝基さんと濱家隆一さんの二人が思い切り突っ込んでコントの不完全なところもうまく解消してくれる。私は楽しく見た。
- まず大前提として、防犯カメラの視点を使ったコントというのが斬新だと思った。最近のバラエティ番組は、YouTubeの映像やドライブレコーダーの衝撃映像をただ芸能人が見て驚くみたいなものが多い。要するにインターネット上にある第三者の映像に頼り過ぎている番組が本当に多くなってきたなというのが、個人的な実感だった。その点、この番組は、それを逆手に取って衝撃映像そのものをコントとして作っているのがとても良い。テレビがネットをイジる時代になってもいいんじゃないかなと思う。
- 以前から、防犯カメラ視点のコントがとても新鮮で、面白いなと思って見ていた。お笑い好きとしては、テレビのネタ番組ではあまり見かけない芸人から、ベテラン芸人まで出演しているのも魅力的。
- コントは、玉石混交の部分はあるが、「ちょっと……」という時もスタジオの後藤輝基さんや濱家隆一さんのツッコミで成立しているので楽しめた。この番組が、駆け出しの芸人さんの登竜門になればいいなと思う。
- 夜は、ダラダラとテレビを見ているので、私は良い意味で「アホなもの」や「しょうもないもの」が見たい。今回の番組では、「オフィスで仕事中に誰かが歌を歌っているが、皆がマスクをしているのでそれが誰か分からない」というコントが良かった。
<番組の課題>
- 年齢による感覚の違いもあるが、基本的には防犯カメラではなく監視カメラという概念で捉えている。それを道具にしてコントを作ろうとするのなら、思い切りハチャメチャにしてしまわなければいけない。中途半端ではなく、防犯カメラに対して皮肉を込めて挑戦するようなコントであればスッキリする。
- 監視社会を逆手に取って笑わせるのだったら技量が必要。試行錯誤されているのだろうが、今回の番組では見られていることのパロディとかブラックユーモアなどはあまりなかった。
- コント映像がボケでスタジオのツッコミが後から入ってくるから、そこまでをひとつのお笑いとして見ないといけない。でも私には、画面がガチャガチャし過ぎていて何を見ていいのかわからなかった。他の委員が「60歳以上を排除してるの?」とおっしゃったのはそこかなと思う。
- 防犯カメラの視点で捉えるところがこの番組の大事なコンセプトなので、顔をアップにしないでほしいなと思った。表情やビジュアルで笑いを取るようなコントはあまり向かないと思う。
- この番組が、本当にコント番組かどうかは微妙なところ。古いのかもしれないが、コントというのは、コント作家がいて、作り込んで、芸人が扮装しているキャラクターが立っているものが面白いと思っている。昔は、有名なコント作家がいたが、最近はいないのが残念。
- 地上波テレビ放送に関して、私自身の感覚だが、コロナ禍の前と今とで深夜番組の見方がだいぶ変った。コロナ禍の前は、各局から新番組が出ると、バラエティもドラマも主だったものは見ていた。コロナ禍になってからは、お笑い系の深夜番組を見なくなった。明らかに60歳を過ぎた我々の世代向きではないとわかる番組が増えたと感じている。
番組制作側から
- 「防犯カメラの視点でコントを撮影しました」という企画で、衝撃映像系の番組のパロディに仕上げている。若い人に人気のあるインターネットの短い映像感覚で、テンポの良いコントで畳み掛けるような番組を作りたいと思った。まだテレビになじみのないコンビなども積極的に起用して番組を制作している。
- コントからスタジオのツッコミまでをセットで見ていただきたいと考えている。若い人をターゲットにしているが、上の世代の視聴者にも面白いと思っていただきたい。
皆さまの貴重なご意見を持ち帰り、今後の番組制作に生かしていきたい。
お知らせ
今月から新たに、谷口真由美さん、松山秀明さん、山浦一人さんの3氏が委員として就任されました。
以上