第679回番組審議会 11月12日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、淺井 栄一 副委員長、
北川 チハル 委員、小松 陽一郎 委員、
杉林 浩典 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、星野 美津穂 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 社長、
小倉 一彦 取締役、今村 俊昭 取締役、
幾野 美穂 総合編成局長、
西澤 萠黄 コンプライアンス局長、
植田 貴之 東京制作部長、芝 聡 プロデューサー
星 信幸 事務局長、石原 康男 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

フェイクニュースに踊るな~芸能人メンタル検証~
<事前視聴 2021年10月17日(日)午後11時00分~午後11時25分放送
          10月24日(日)午後11時30分~午後11時55分放送>

委員の主な発言

<番組の評価点>

  • 千鳥大悟さんと山里亮太さんの掛け合いはテンポも良くて、うまいなと感じた。二人のトークが生かされた、昔ながらの『どっきりカメラ』的な番組だった。この二人が今の時代を象徴するタレントでもあるので、そういう意味では令和の時代の『どっきりカメラ』かなとも思った。
  • MCの二人で全体がまとまっている。大悟さんの感覚、しゃべりは素晴らしくて、全体の雰囲気を捉えているなと思った。
  • おいでやす小田さんが、自らの売りである大声芸を捨てるかどうかを迫られて、芸をとったところはプロの意識を引き出したということで素晴らしかった。
  • 改めて大悟さんの大物感を見せてもらった。面白くないところは「面白くない」とはっきり言い、しっかりと突っ込んで視聴者の思いを代弁してくれる。好き放題のように見えて、周りを明るくするコメントを絶妙なタイミングで出すことができる。その大悟さんのコメントをうまく引き出して受ける山里さんも光っていて、素晴らしいコンビだと感じた。


<番組の課題>

  • SNS時代の新しい『どっきりカメラ』的なものが見せてもらえるのかとある種の期待も持って見たが、内容は昔と変わらなかった。もう少し新しい工夫が欲しかった。
  • だまされている方への気の毒さが勝ってしまって笑えなかった。テレビ業界流の愛なのかもしれないが、もう少し優しい笑いを期待していたのでしんどかったというのが正直な気持ち。
  • バラエティ番組は今、時代の転換期にあると思っている。これまでは当たり前にできたことがだんだんできなくなる中で、特定のタレントをいじめているように見えない演出方法があるのかどうか、創意工夫すべき点だと思う。見た人の中で一定割合の方が嫌な思いをしているとか、笑えなかったとしたら、それは新しいバラエティの方向ではないと思う。
  • 「笑えない」という意見があったが、これが時代の差なのかもしれない。『どっきりカメラ』が放送されていた時代と今とでは温度差があると感じている。何を笑えて何を笑えなくさせているかということだと思う。
  • 番組制作側がフェイクニュースを作るという体裁を見せること自体が疑問。世の中にフェイクニュースがあってはいけないと言わなければならない側が作っている。
  • 昔の単純なドッキリ番組とは時代が違う。バラエティ番組も情報の発信の仕方をしっかりと考えていかなければならない。報道はもちろん、バラエティ番組にしても、品位がいる。その品位をどう保っていくかということを考えておかなければならないと思う。
  • 世の中にフェイクニュースはあふれ返っていて、それを切り口に番組を作るのは面白いと思う。ただ、なぜドッキリにするのかがわからない。もっと違う扱い方があるのではないか。

番組制作側から

  • 人を傷つけることの無いよういろいろなことを思って作ったが、バラエティ番組なので、安心して笑っていただけるよう、改めてしっかり考えていかなければならないと思った。
  • 委員の皆さまの貴重なご意見を重く受け止めた。今、バラエティ番組を作るのが難しくなっていると言われている。ドッキリで人をだますということも時代によって受け止め方が変わってきている。だまされるのが芸人だから許されるのか、バラエティ番組なのに笑えなかったということも含めて、どの様な番組が視聴者にとって良いのか深く議論していきたい。

以上