第676回番組審議会 7月9日(金)開催
*朝日放送テレビ出席者と各委員をリモート会議システムでつないで開催
〔出席委員〕 井野瀬 久美惠 委員長、淺井 栄一 副委員長、 |
〔当社側出席者〕 山本 晋也 社長、 西澤 萠黄 コンプライアンス局長、 北本 恭代 事務局員 |
審議課題
『ザ・プレミアム・モルツ presents DRAGON CHEF 2021』
<事前視聴 2021年7月4日(日)午後7時~8時56分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- 本当に面白かった。大掛かりな企画だし、すごいステップを踏んで決勝まで来たのだろう。よく考えられた構成だと思う。賞金1,000万円というのは、挑戦者や審査員、制作サイドの本気度が伝わる。今後料理人にとってドラゴンシェフというのが目標になると思った。
- 次世代を担う料理人の発掘で、しかも40歳未満で、プロアマ問わず誰でもチャレンジできる。これは非常に面白い企画だ。最後に出場者の皆さんが悔し涙、うれし涙ということで、感動がひしひしと伝わる良い番組だった。
- 郷土意識であるとか、家族の応援であるとか、皆で頑張ろうということで、今のこのコロナ禍の時代に人々を元気づける番組として最高だったと思う。ドキドキ感とかすごいと思うところもあり、見ているうちに引き込まれていった。
- 事前に放送された盛り上げ番組が楽しかった。ダイジェストだったが見応えがあって、料理人たちの個性も感じられた。
- 準決勝で敗者復活戦のために敗者全員をそろえていたことにスケールの大きさを感じたし、芸能人宅へ料理をデリバリーしての審査も斬新なアイデアで、すごく面白いと思った。また、決勝では、コロナ禍を意識しているのだろうが、会場を屋外にしてクルーズ船での会食にするなど大掛かりなアイデアも、見ていて飽きなかった。
- 準決勝のスタジオでのハンバーグ弁当がすごく印象的で、どれも特色があって、美味しそうで、実際に食べてみたいと思った。百貨店とかでドラゴンシェフイベントを開催し、買うことができないかなと思った。これからは、放送番組のそういう展開も可能性がすごくあって面白いんじゃないかと思う。
- 視聴者が番組に入っていくには審査員の味の表現力が大切だと思う。芸能人の方では、その部分でいうとやはり少しもの足りないが、IKKOさんのコメントは良かった。独特の感性を持ってる。プロの方たちも一人ひとり表現力は違ったが、やはり何人かの委員もおっしゃっていたように鎧塚俊彦さんは断トツだった。
<番組の課題>
- 事前に放送された予選番組では、若い料理人が応募するまでの背景、料理人としての人生観、家族、友人、師匠たちとの関係など個々の想い入れの多様性が深掘りされていて良かった。対して決勝ラウンドの放送では、そこが薄くなっていたように思う。
- 決勝ラウンドは、豪華さやエンターテインメント性が強く前に出て、「食を通じて日本を元気に」というコンセプトが少し伝わりにくくなっていたと思う。
- プロというのは、特別の才能を持っている人。地域別予選では、総監督の須賀洋介さんのコメントや出場した料理人との会話がとても良かった。優しいとか、スマート、やんちゃ、料理を見てプロはそういう表現をするのかと楽しんだ。それが決勝の時にはあまりなかった。派手な演出もいいが、このようなところも大事だったのではないか。
- この番組の「ドラゴンシェフNo.1というのは、こういう人だ」という説明がなかった。審査基準は明確にして、審査員全員が共有しなければならない。
- 審査員の説明責任も重要。料理人にとって「何で自分が敗れたのか」というところの納得感とか、視聴者にとっても納得できるものが少し足りなかったと思う。
- 評価の公平性については疑問が残る点もあったと思う。決勝での鎧塚俊彦さんのコメントは聞いていて納得感がありとても良かったので、審査員にはちゃんとコメントができる人を呼ぶほうが良いと思う。
- 私は、予選ラウンドから見ていたので、応援したくなる人が出てきた。いつの間にか個性的な出場者のファンになっていた。次回以降、視聴者が出場者のファンになっていくような仕掛が重要だと思う。
番組制作側から
- コロナ禍で日本の飲食業界、料理人の方々、生産者の方々が、非常に苦しい状況にあり、そういった中で日本全国の地域の魅力を「食」で盛り上げていこうという意図で、『M-1グランプリ』に次ぐ大型コンテンツを目指して、次世代のスター料理人No.1を選ぶ番組を企画した。
- 審査の納得感をどう伝えるかということに関しては、改めて制作側でしっかり議論していきたいと思う。
以上