第667回番組審議会 9月11日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、淺井 栄一 副委員長、
岡村 邦則 委員、北川 チハル 委員、
小松 陽一郎 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、原 美和 委員、
星野 美津穂 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 社長、
清水 厚志 取締役総合編成局長、小倉 一彦 取締役、
三好 康嗣 スポーツ局長、中澤 寛 プロデューサー、
星 信幸 事務局長、石原 康男 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

『2020高校野球 僕らの夏』
<事前視聴 2020年8月16日(日)午後11時10分~11時35分放送
         8月17日(月)午後11時17分~11時47分放送>

委員の主な発言

<番組の評価点>

  • 印象的な映像が多くて、すごく臨場感があって、球児たちの情熱が伝わってくるとても良い編集だった。素材である高校生たちがキラキラと輝いているので、それを見ているだけでも胸に来るものがあった。作り手が、演出しすぎないというのが良かったと思う。
  • 正直、交流試合だけでは選手たちも100%やる気を出せないんじゃないかなと心配していたが、杞憂だった。高校生たちが、困難に負けずに取り組むことの大切さをしっかり示してくれていた。そのことを伝える役割をこの番組は果たしていた。
  • 素晴らしい家族愛、地域愛が出ている。高校野球のドキュメンタリーは、客観性をあまり求めず思い切り主観劇場で良いと思う。
  • 甲子園の交流試合が始まって、やはり感動したし、清々しい気持ちになったし、元気も出てきて「これでやっと夏が来たな」と実感した。今回の試合を実現してくれた皆さんと中継をしてくれたテレビ局に感謝したい。
  • 古田敦也さんとヒロドアナウンサーの司会は、聞いていて歯切れも良いし、スタジオではなく甲子園球場から伝えたのもすごく良かった。
  • ヒロドアナが日に日に肌が焼けていく様が、この夏の大会を球児たちと一緒に戦っている人たちの象徴のようで、すごく爽やかだった。
  • 交流試合に関わった方それぞれにまだまだ色々なドラマがあっただろうし、これだけで終わってしまうのはもったいないという気持ちだったが、翌朝の『おはよう朝日です』での高校生応援プロジェクト「雨のち晴れ」で、大阪桐蔭高校の吹奏楽部が取り上げられていて、交流試合の貴重な舞台裏の一つを見ることができてうれしかった。内容が大変感動的で、朝から号泣してしまった。『おは朝』との連携も素晴らしかった。
  • この番組単体ではなく、高校生応援プロジェクト「雨のち晴れ」や、全国の独自大会もフォローしたインターネットのバーチャル高校野球も非常に素晴らしい。今回、高校野球の放送で地上波とネット配信やBS放送を連動するという非常に新しい試みをしている。


<番組の課題>

  • 番組そのものは『熱闘甲子園』のノウハウで、特別の甲子園という雰囲気がものすごく出ていて、その点は何も問題はないが、1試合にかける思いや重みというものをもう少し出してくれたら、今年の特別な『僕らの夏』になったのではないかと思った。
  • 高校野球は注目度が高いので、交流試合があったりテレビに取り上げられたりするが、様々なスポーツとか学校の行事や大会が、中止を余儀なくされている。策を講じつつ実現するには、時間も労力も必要だと思うが、安易に中止とかオンラインにするとかだけではなくて、コロナとの共存を考えて、社会全体を少しずつその実現に向けていくこともテレビの使命なのかもしれない。

番組制作者側から

  • 今年は、特別の夏だった。試合の結果はニュースで見てもらえるので、キラキラ輝いている球児の姿や家族、恩師などをどう見せるかに心を砕いた。
  • 今年は、野球部だけではなく他の部活動も苦しんでいたので、一つだけだが合唱部、吹奏楽部、チアリーダーを取材し、野球部ではない高校生の思いを伝えることも試みた。
  • この番組だけでなく、試合の中継も感染症対策に非常に注意を払って取り組んだ。無観客であったり、負けたチームが砂を集めることがなかったりなどいつもと違うものだった。記録としてしっかり残していきたい。

以上