第665回番組審議会 6月19日(金)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
審議課題
『コロナ禍の中で気になるテレビ番組と、新型コロナウイルスと共生する時代にテレビに期待されるもの』
委員の主な発言
- 春の新ドラマがなかなか始まらなかったが、一方で見逃していたドラマの再放送を思いがけず見ることができうれしかった。最近では、未公開映像や副音声の裏話など工夫もある。
- 警報を発する部分は必要だが、最後には人々を元気づけるものが欲しい。再放送が増える中で、『ポツンと一軒家』や『探偵!ナイトスクープ』などが、アーカイブ映像だけで終わりではなく、現在の様子も伝えていたのが良かった。
- リモート出演とか、出演者同士の距離を置くとかを工夫して、感染防止の姿勢を視聴者に伝えることは意味があったと思う。
- 『おはよう朝日です』の「おきたらんど」のような、子ども向けコンテンツや子どもと大人が一緒に楽しめるコンテンツが、各局各番組で少しずつでも提供されていたことには救いを感じていた。
- 情報番組、ワイドショー関係の番組は、深刻で長丁場になっているコロナ問題に向き合うためには、これまでのような井戸端会議的な出演者や構成を、ある時点をもって再検討したほうが良かったと感じている。残念ながら感想レベルのことが多い。本当に視聴者が知りたい、もしくは知らせなければいけないのは、正確な情報だ。
- 累積感染者数を日々、報じることにどれほどの意味があるのか。人々が日常生活で頑張っていることを伝えるためには現在感染者数と新規の感染者数を報じるべきではないか。このことに限らず、報道関係者は受け手を思いやる視点が欠けているのではないかという印象を持った。
- 自粛生活の中でテレビの見方が大きく変わった。当初は、ずっとテレビをつけっ放しで毎日そこから情報を取っていたが、だんだん気持ちも暗くなるし、どの番組も似たようなことばかりに感じ、初めて有料ネット配信番組を見だしたら、それが本当に楽しくて、今は映画やドラマなどをネットで見ている。一方で地上波のテレビに求めるものは、やはり生のニュースでこれはネットには置き換えられない。
- スタジオで収録が難しいということもあって、リモート出演とか再放送が多かったと思うが、再放送であっても番組によっては神回と呼ばれるものもあり面白く見られることもあった。
- 世の中が変化する今、長年変わらない大物タレントがMCを務め続けているのは、安定感はあるが、価値観のアップデートがされにくくて、社会を牽引するというよりも過去に浸っているかのように見える。ただ、情報のアップデートをかけるのは簡単だが、価値観のアップデートをかけるのは難しい。
- 人によって生活様式の違いが非常にクリアになった。簡単にいうとテレビを見る習慣がある人とテレビをそもそも見ない人では全く違う時間を過ごしている。今回はテレビを見る習慣のない人は全く見なくても済んでいる。今後、テレビから離れた人をテレビに戻すことが必要なのかどうか。
- 何曜日の何時にテレビの前にいるというのがもともとテレビの本質だったはずで、録画して適当なときに見るというのは、ほぼ通信のコンテンツ提供と変わらない。ある時間でしか見られない、この時に見逃したら二度と再放送もないだろうというのが、テレビには大事だと思う。
- 自粛期間中ずっとテレビを見ていた。見ているうちに、同じことばかり繰り返しているから飽きるが、「これは、今までにやらなかったことだな」と、気がついたことがいくつかあった。リモート出演もその一つで、バーチャルの背景などもあり新しいスタジオの作り方ができると感じた。
- よく第2波に備えてとコロナ対策の検証をやっているが、それと同じことでテレビ番組の検証もやらなければならない。この番組をやって良かったんだろうかとか、この撮り方は間違っていなかったんだろうかというのは、絶対やらなければいけない。
- 改めてテレビは、視聴者に寄り添うメディアであってほしいと思う。人々を元気づける、ほっこりさせる、テレビの役割にはそういうものがある。
朝日放送テレビから
- 新型コロナウイルスで多くの人の生活が変わってしまった。世界的な問題でいつ元に戻るか分からないという状況で、人々もかなり心が痛んでいると思う。テレビに対する思いとか見方も変わってくる。視聴者の思いや感覚とずれないようにしっかりとやっていきたい。
- テレビがSNSと違うところは、情報の発信元としてしっかり責任を持ってやるということ。今回、いろいろ工夫したり、やってみてうまくいかなかったりとか、さまざまあると思う。何が良かったか悪かったかということをしっかり検証していく。
以上