第663回番組審議会 4月17日(金)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
審議課題
『虎バンスペシャル~矢野阪神2年目の挑戦~』
<事前視聴 2020年2月29日(土)25時15分~26時10分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- 阪神ファンにとっては大変楽しく見られたのではないか。今年は優勝が期待できると前向きな気持ちにしてくれる番組だった。バラエティであるがドキュメンタリーの要素もあり、「矢野の語り」「虎動」「外国人助っ人へのインタビュー」「近本選手の新しい取り組み」と構成はバランスも良く充実した内容であった。
- 矢野さんの車内での落ち着いた自然な姿と語りから見せるかっこいいオープニング、洗練されたものを大いに感じた。私の持つ深夜番組のイメージを覆す緊張感と爽快感に目が覚め、すぐに引きこまれた。
- 矢野監督への密着インタビューは、ABCテレビ、取材記者等との信頼関係がなければ実現しなかった。ときどき取材対象者との素晴らしい信頼関係を築いた記者等が制作した番組に出会うが、これもその1つであろう。表彰ものである。
- 矢野監督への密着と、そこから生まれる言葉をメインにしているのが面白い切り口となっていて、最後の、矢野監督が見えている「優勝の景色」を語る場面は素晴らしいエンディングだと思う。
- 「チャンスに期限はない」、「恐怖は逃げると2倍、立ち向かうと半分になる」、など印象的な言葉が良かった。また、日本一になると断言、そのときのイメージができているとするのが印象的だった。「第7戦9回カウント2-2、柳田vs藤川、高めストレートで空振り三振」など具体的で魅力的だった。
- 原口選手が、大腸がんを自分の“使命”と受け止め、何事にも感謝しながら明るく前向きに取り組む姿や、藤川投手がその原口選手をキャッチャーに選んで投球練習をするシーンでの優しさに感動した。
- 近本選手への取材では、彼が盗塁の際に歩幅を縮めることに対して理論的アプローチをしているのがわかり、野球に興味がなくても面白かった。本人が説明しているので説得力もあり、どう努力しているのかが視覚化されていて良かった。
- 新型コロナウイルスが流行した今日の状況で番組を見直すと、紹介されている2ヶ月ほど前のキャンプの風景が、遠い別世界の出来事のように思われた。平穏な日々がいかに大切であるのか、あらためて実感する。
<番組の課題>
- 土曜日の深夜25時15分という放送時間帯から考えると、チーム事情にもっと詳しかったり、特別な思いを持っていたりするディープなタイガースファンには物足りないところがあったかもしれない。内容は、もう少し見やすい時間に放送するような仕上がりだったと思う。
- 矢野監督のインタビューから番組が始まり良かったのだが、インタビューがそこで終わって、最後のエンディングまで矢野語録がほとんど出て来ないのはもったいない。例えば、CM前に必ず矢野監督の、今シーズンのポイントとなる言葉を入れ次のコーナーにバトンを渡すとか。この番組は、矢野監督の素晴らしい言葉がメインであることをもっと打ち出してもよかった。
「使命を持つ人は強い」と矢野監督が語り、原口選手が出て来る、というような感じ。 - せっかくの佐藤隆太さんがもう一つ生かせていないような気がした。
- スタジオはアットホームでほんわかとしたムードだったが、佐藤隆太さんから、阪神ファンならではの突っ込みやコメントはあまり見受けられなかった。真面目だが冒険はしてくれなかった印象。下柳剛さんには、阪神の課題である打線に関して独自の見解をプラスして解説して欲しかった。
- 下柳さんの順位予想では、もう少し戦力について詳しく聞きたかった。
- 見ていて、ちょっとナレーションが多いなという気がした。沈黙も言葉を引き出させる手段の一つ。
番組制作側から
- スタジオでの収録は、2月23日でした。
- 矢野監督は以前ABCテレビの『週刊!キャストスポーツ』というコーナーを担当されていて、ABCテレビとのつながりが密接にある。矢野監督とともに阪神のこと、野球界のことをアピールできるような番組を作れないかという思いからこの企画がスタートした。今回の密着も矢野監督の理解があったので、キャンプの間ずっと車に乗せていただくことができ、番組にすることができた。
- 野村元監督のボヤキというのがすごく浸透しているが、では矢野監督は何だろうというところから、矢野監督の語りを前面に押し出して作った。
その他
2020年4月からの「放送番組の種別」及び2019年度下期の「種別ごとの放送時間」を報告した。
今回は、新型コロナウイルス感染防止のため、井野瀬委員長はウェブ会議システムで出席、他の委員は書面で意見を述べる形で審議いたしました。
以上