第659回番組審議会 10月11日(金)開催
〔出席委員〕 |
〔当社側出席者〕 |
審議課題
『東野幸治の宇宙科学特捜隊 アインシュタイン先生、世界は“ひも”でできていました!』
<事前視聴 2019年9月21日(土)午後3時~4時30分放送>
委員の主な発言
<番組の評価点>
- 知らないことばかりなのに、全体的にわかりやすかった。難しいテーマを深掘りしていってもわからなくなるので程良いレベルだったのでは。こういう番組が、少年少女の科学への興味のきっかけになると良いと思う。
- 文科系のスタッフが、科学の素人の視点で解説したのが大きなポイント。味付けとして『ウルトラマン』や『ドラゴンボール』、『ドラえもん』など子どもにもとっつきやすい工夫をしていた。「知的好奇心」や「家族団らん」といったABCテレビのDNAを感じる。
- 小学校高学年にも理解できるような全体の番組設計が素晴らしい。年配者にはわからなかった「ドラゴンボール芸人」のコント演出も子どもたちは喜んだのだと思う。
- 物理への苦手意識を持っていて及び腰で見たが、面白くて本当にわかりやすく、あっという間の1時間半だった。夢の膨らむ未来の話で、家族で見ながら会話が弾んだ。
- 楽しかっただけでなく、別の視点だが、宇宙資源やそれを巡る開発競争などいまだに大航海時代と一緒のことを人類がやっていて怖いなとも思った。
- ノーベル賞の吉野彰さんは、子どもの頃先生が薦めてくれた本が化学へのきっかけだったと言う。これからも子どもたちが「これは絶対見るぞ」と思う番組を作ってほしい。宇宙へのロマンを復活させてほしいし、このような番組には子どもたちの憧れとか夢とか未来性がある。
- 子どもの理科離れが言われるが、番組を見てちょっと科学がわかったような気になるレベルがちょうど良い。宇宙だけでなくリチウムイオン電池とか、色々なテーマでこの番組を続けてほしい。土曜日の昼間にこのような番組が放送されたということは良いチャレンジだと感じた。
- 日本における民間宇宙開発の現状や、宇宙の全体像を把握するプロジェクト、量子力学などわかりやすく説明していた。ドラゴンボール芸人の紙芝居など、いかに平易に伝えるかに関する創意工夫に敬意を表したい。
<番組の課題>
- スペシャル番組なので、なぜ今これを取り上げるのか、番組の導入部にはそのようなきっかけが欲しかった。また、JAXAロケをした中間淳太さんにはスタジオで感想を聞きたかった。
- 番組のどこのパーツを切り取っても、面白く見られたのだが、一方で内容を盛り込みすぎた感もある。そのため宇宙も「超ひも理論」も一つひとつはちょっと食い足りなかった。宇宙だけでも十分に成り立つし、アインシュタインだけでも結構いけたのではないかと思う。
- 素粒子物理学や加速器に関する技術は、日本が世界をリードする分野。世界各国との協力のもとに進める国際リニアコライダー計画なども最新の話題としてあってもよかった。
- 番組制作時に、たくさんのテーマ候補からピックアップしたのだと思うが、「超ひも理論」は、あまりにも難しすぎた。最近見つかった生命の可能性がある太陽系の外にある惑星とか「すごい!」と思わせるもの、子どもたちが興味を持つようなものをもう少し加えてほしかった。
- このような番組は、小学生のお子さんがいる家庭でどんどん見てもらいたいので、番組を見てもらうためのPRを考えるべき。課題番組でなければ、見逃してしまうところだった。
- 宇宙の問題は、軍事と裏表の関係にある。科学を進めていくのも人間なので、人間がきちんと育つことが大事になってくる。どう倫理を伝えるかということが次の課題かもしれない。科学の番組はそういう使命を持っている。
番組制作側から
- 司会の東野幸治さんが「超ひも理論」をわかりやすく説明する番組を作ってほしいとおっしゃったのがきっかけ。制作スタッフは文科系人間ばかりだが、「超ひも理論」や宇宙の話題を小学校5年生にもわかるように専門家に説明してもらおうという企画。
- そもそも4次元などは絵でも言葉でも表せない誰も実感したことがないもの。これをテレビとしてどのように見せれば視聴者に興味を持ってもらえるかということに腐心した。
- 『ドラゴンボール』や『ドラえもん』などに出てくる夢の技術に関しては、子どもも親しんでいると考え、「ドラゴンボール芸人」のコントを入口に宇宙の話題に興味を持ってもらおうと考えた。
- これからも子どもに見てもらうコンテンツは必要。今回のご意見を参考に次に何ができるか検討したい。
その他
2019年10月からの「放送番組の種別」及び2019年度上期の「種別ごとの放送時間」を報告した。
以上