第656回番組審議会 6月21日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、酒井 孝志 副委員長、
淺井 栄一 委員、北川 チハル 委員、
小松 陽一郎 委員、高見 孔二 委員、
橋爪 紳也 委員、星野 美津穂 委員、
道浦 母都子 委員

〔当社側出席者〕
山本 晋也 社長、
緒方 謙 常務取締役、清水 厚志 取締役総合編成局長、
西澤 萠黄 コンプライアンス局長、
大幸 雅弘 制作部長
白石 和也 プロデューサー、南 雄大 チーフディレクター
安田 武史 事務局長、石原 康男 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

もう少し、嫌な奴』  
<事前視聴 2019年6月9日(日)、16日(日)午後11時10分~ 放送>

委員の主な発言

<番組の評価点

  • 実力と勢いのあるコンビ3組を起用し、トークやコントがテンポよく展開されている。もうちょっと見ていたいというところで抑えるのがツボ。30分という番組の長さはちょうどいいのかもしれない。
  • 「こういう番組を待っていた!」というくらい大好きな番組。それぞれのコンビによるコントを見るだけでも楽しいのに、コンビの枠を超えたユニークなコントが見られるのは最高に贅沢。「嫌な奴」の話をしているのに、全然ダークな感じがしなくて、優しさや頑張っている人を温かく包み込む雰囲気なのは、レギュラー出演者3組の魅力によるところが大きいと思う。
  • 地上波の民放では、なかなかちゃんとしたコント番組がないなかでコントをしっかりやろうという姿勢は良い。
  • コンビのネタ作りやスタジオのセットなど様々な段取りに手間がかかるかもしれないが、地上波で少なくなってきている「コント番組」として質の高いコンテンツを目指してほしい。
  • 日常生活に入り込む不快なものを取り上げ、それをネタにして笑いに変え「ストレス発散」につなげるか、「嫌悪感」が残るか、紙一重のところ。そのギリギリな面白いところを狙っている企画だと思う。レギュラー出演者たちが上手に笑い飛ばすことで、ジメジメ感がないドライな仕上がりになっている。
  • 番組としては、とても面白いと思う。子どもたちのコントには賛否両論あるが、ゲストとコントの構成も良いし、セットもステージとシアターを別々にしていて立体感がある。
  • 番組にはわずかしか登場しないが、ナレーターに上方ではなく江戸落語の三遊亭円楽さんを起用しているのも新鮮で、キャスティングの妙が光っている。


<番組の課題>

  • タイトルの「もう少し、」に込められた意味がつかみにくい。「嫌な奴」として紹介されたエピソードに共感できるかどうかが大事なポイント。「あるある」といった笑いにつながらなければ、ただの悪口にしか聞こえない。
  • 一般の人が一般の人のことをけなすのは、嫌だった。一般の人をけなしたあとはレギュラー出演者の6人がちゃんとフォローするとかの補完関係がないといけないのでは。
  • せっかくのコント番組なのでレギュラー出演者3組がそれぞれのコントを毎回見せるべき。それによってもっとコントというものが見直されて、大阪でもコントが増えると思う。
  • ちゃんと「コント番組」としてコントを増やせば「嫌なエピソード」も全てはコントのためのネタ振りとして許せるのではないか。
  • 「嫌な奴」という言葉が、そもそも嫌い。「嫌な奴」を笑い飛ばして自分が楽になるという考え方が寂しく思えて番組を見てもそこが引っかかってしまう。
  • 「嫌な奴」と思われる立場を考え社会的にいじめやハラスメントにならないよう気をつけて、これからももっと面白い番組にしてほしい。
  • 子どもたちのコントは、子どもたちに嫌な役をやらせているように感じて気持ちいいものではなかった。
  • テーマによっては、その業界に限定された専門用語が飛び出すので、詳しく内情を知らなくても笑えるような演出が欲しい。

番組制作側から

  • コントを作り上げるのは大変だが、レギュラーの出演者たちは「毎回ネタを考えていけるのは楽しい」と言う。また、彼らは一般の方の「嫌な奴」エピソードから上手に自らのエピソードを掘り起こして笑いにしている。
  • この番組は、「共感」を持ってもらうことが大切だと思う。その「共感」、「あるある」といったものをどうすればスッと感じてもらえるか、これからも考えていきたい。ネタ選びに関しても、視聴者が「共感」できるものであって単なる悪口にならないようしっかり考えて制作するよう心がける。

以上