第603回番組審議会は3月14日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。

〔委員〕
豊藏 亮 委員長、道浦 母都子 委員、
星野 美津穂 委員、橋爪 紳也 委員、
酒井 孝志 委員、淺井 栄一 委員、
高見 孔二 委員、小松 陽一郎 委員、
池内 清 委員

 

 

〔当社側〕
脇阪 聰史 社長、和田 省一 副社長、
松田 安啓 取締役、梅田 正行 取締役、
岩田 潤 編成局長、太田 充彦 広報局長、
今村 俊昭 制作局長、藤田 和弥 支社制作部長、
田中 和也 プロデューサー、
戸石 伸泰 事務局長、野条 清 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

「なるみ・岡村の過ぎるTV」
<事前視聴 2月2日(日)午後11時30分~12時25分放送>

番組の良かった点

  • 一番のポイントは、雛段を作らずに二人のトークでもたせるという番組であること。このスタイルは最近各局も放送するようになってきているが、特になるみさんと岡村隆史さんという人選は新しい試みだと思う。
  • なるみさんと岡村隆史さんのコンビは非常に明るくて、好感度が高い。二人が良い呼吸で、なるみさんがうまく岡村さんに突っ込んで、面白いトークを引き出している。
  • 「過ぎる」というタイトルが良い。「○○過ぎるもの」がテーマだが、結果的にはそれほど過ぎてはいない。それでも、面白い情報が入っている番組だと思った。
  • 日曜の夜、もう少し休日の余韻に浸りたい時に見るには、ゆるい感じで良い番組だと思う。
  • 「イケメン過ぎるゲンバ男子」が最高だった。あの工場地帯は休日にブラブラ歩く地域だが、「こういう人たちがいるのか。よく探してきたな」と感心しながら見た。
  • 「進化し過ぎるお菓子」のコーナーが良かった。「うまい棒」は孫もよく食べているので、番組で得た情報を教えたいと思った。
  • ぼんちおさむさんの「師匠さんぽ」のコーナーは、階段や坂を駆け上がるなどハード過ぎてびっくりした。しかし、街角のそれぞれをちょっと切り取って紹介する構成は良かった。
  • 何故、女性アナウンサーが岩のセットの穴から顔を出しているのか、意味がわからなかった。ただ視聴者は、よくあるバラエティのセットに飽きている。この番組でのアナウンサーの登場の仕方は斬新で、印象深い。意味はわからなくても、印象に残るというのはすごく大事。
  • 他番組では岡村隆史さんにかぶりものをさせて暴れ回らせているのを、ちゃんと座らせて、楽しく話をさせている。なるみさんとのコンビもものすごく良い。セットの穴からアナウンサーがしゃべるのも、なるみさんと岡村さんの話を邪魔しておらず、演出的に色々新しいことをやっている感じがするので、ものすごく良いと思う。
  • ワイプの扱いが非常に丁寧だ。VTRの間ずっとスタジオをワイプで映していて、良いコメントの時だけ音声を上げる入れ方は丁寧。他番組では、ワイプで抜かれた時にハッとするタレントの顔が映る場合があるが、この番組は工夫していると思う。
  • 半年の実験的な枠でトライされているというのが良く伝わってきた。さらに半年延長ということで、もう一工夫されることを期待している。

番組の課題

  • なるみさんが一所懸命盛り上げていると思うが、反対に、なるみさんが岡村さんを楽しませなきゃと気をつかっているように見え、なるみさん自身が楽しんでいるように見えない。
  • 岡村隆史さんからなるみさんがうまく引き出していると思うが、43歳の中年男性をつかまえて、独身で女性とのつきあい方がどうとかいう話はもう勘弁して欲しい。もうちょっと中年男性の広がりがあっても良いのではないか。
  • オープニングでの恋人のブラジャーのはずし方の話は、家族一緒に見ている時は困ってしまう。ブラジャーをはずしたり、パンツは自分で脱ぎましょうといったり、そういうことで笑いを取らなくても、なるみさんと岡村隆史さんは十分良質の笑いを取れると思う。
  • 独特の平板なナレーションは他番組にも似たものがあるのではないか?どういう意図なのかがちょっと気になった。逆にナレーターの技術としては良いのではないかと思う。
  • 「進化し過ぎるお菓子」のコーナーは、見る側が食べられないので、味の細かい差を映像化する難しさを改めて思った。
  • この番組を見て最初に思ったのは、ネタ探しや準備が大変だろうということ。
  • この番組は普段も見ているが、最後まで見切れないことが多い。簡単に「○○過ぎる」といっている感じで、興味がないテーマでは見飽きてしまう。今回の番組の「イケメン過ぎるゲンバ男子」にしても、結局、番組として何がしたいのかと思う。
  • 実験枠の番組なのだし、せっかく「過ぎるTV」といっているのだから、「えっ!そんなことまでするの?」とか「けったいなことするな」というのが、たまにあっても良いのではないか。「過ぎる」といっている割には優等生。
  • 岡村隆史さんの特徴は「過剰」というところで、そこが面白いと思う。東京の人が大阪に来ると、東京ではいえないことをトークするのが普通なのに、今は遠慮がちというか、岡村さんの過剰の良さが出ていないので、ちょっともったいない。そこを引っ張り出せたら「過ぎる」というこの番組にピタッとはまって、良い感じが出てくるのではないか。

番組制作側から

  • 岡村隆史さんと是非仕事がしたいという思いから企画し、その岡村さんを包み込めるお姉さん的な方としてなるみさんをブッキングして、昨年10月から始まった番組。過ぎたる二人、スーパースターの二人に、過ぎるものや人という素材を与えたらどうなるかというコンセプトで始めた。
  • ネタ探しとか企画に関しては、なるみさんと岡村隆史さんにぶつけようとやっているので、二人が青春時代を過ごした1970~80年代に絡むネタが多い。
  • 二人のトークが非常に面白いので、テレビというよりラジオの感覚でできないかと思い、VTRもできるだけ短く、できるだけスタジオを使って、二人の軽妙なトークをより聞けるようにしている。
  • アナウンサーが岩の穴からしゃべるのは、なるみさんと岡村隆史さんのツーショット映像にこだわりたくて、アナウンサーが一緒に映らないように、別空間にしたかったから。テレビモニターの中にアナウンサーを入れるということも考えたが、無機質にならない方が良いということで、セットに穴を開けようとなった。
  • ナレーションについては、なるみさんと岡村隆史さんのおしゃべりを立てたいというので、ああいう平板なものにしている。数年前の当社の番組で、同じアナウンサーを使い同じことをやった。今回の番組でも、ちょうど良いということでやってもらっている。
  • 岡村隆史さんをテレビで見ると、そのシルエットや表情、アクションがあんなにチャーミングな人はいないと思う。テレビの申し子というか、テレビ画面の中であの人の笑顔があったら何もいらないくらい、すごくほれ込んでしまうところがある。この番組でも、そのチャーミングな岡村さんを演出しようとやっている。

以上