第558回番組審議会は、9月11日(金)に開かれました。
出席委員はご覧の方々でした。

〔委員〕
豊蔵 亮 委員長、井野瀬 久美惠 副委員長、
宮原 秀夫 委員、藤田 富美恵 委員、
道浦 母都子 委員、星野 美津穂 委員、
草川 誠 委員

 

 

〔欠席委員〕
村田 晃嗣 委員、植田 紳爾 委員、
山田 廣則 委員
〔当社側〕
渡辺 克信 社長、北畠 宏泰 専務、
福田 正史 取締役編成本部長、
山本 晋也 編成局長、松田 安啓 スポーツ局長、
本田 幹雄 プロデューサー、川崎 宏 ラジオ局長、
本城 謙三 広報局長、小関 道幸 事務局長、
藤沼 純夫 事務局員、北本 恭代 事務局員

放送番組検討委員会の報告

日本テレビ「真相報道バンキシャ!」の誤報報道問題で、日テレに対するBPO(放送倫理検証委員会)の勧告と、「検証番組」について改めて問題点を検証した。
情報源や裏付け取材、放送への道筋と社内手続きのあり方などを検討、もう一度襟をただすことにした。

ラジオ・テレビの秋編成について

  • ラジオ…7月に大きな改編を行ったが、10月はリフレッシュな要素とナイターオフ改編についての説明。リフレッシュは、月~金曜朝5時~6時半の「おはようパートナー」。パーソナリティを7年間続けた宇野ひろみさんから、32歳の長尾光湖さんにバトンタッチする。ナイターオフでは、定番の「歌謡大全集」(火~金)夜7時~9時で金曜の桂南光さんから、お弟子さんの桂こごろうさんに引き継ぐ。宇野ひろみさんが水曜を担当。
  • テレビ…主にテレビ朝日発の番組の改編。特に日曜19時は、ナマのスポーツ情報番組「速報!スポーツLIVE」を編成、新たなジャンルとなる。火曜19時は、アニメの二階建てとなる。朝日放送発では金曜21時のドラマで、10月から仲間由紀恵さんの主演のミステリー「アンタッチャブル」を放送。
    など説明

 

以上 秋編成について委員の承認を得た。

番組審議:高校野球全般について 2009 高校野球スペシャル「夏のものがたり」<当日視聴> 8月30日(日)15:30~16:25放送

<番組内容>

今年も繰り広げられた甲子園の「夏のものがたり」。大舞台のなかで球児たちは様々な人生経験をする。今年の「熱闘甲子園」から特に熱かった試合をピックアップ。激闘となった試合の一つ、準々決勝 明豊対花巻東の対戦を、今宮健太と菊池雄星両投手のインタビューを織り込みながらの試合構成。この他、浜松商業の正捕手だった斉藤諒君は去年の秋交通事故で首の骨を折る重傷を負う。チームメートに支えられリハビリに励み、応援する斉藤君の夏を描く。

 

<以下 出席委員の意見 要旨>

  • 今年は試合が終わったあと、「NEWSゆう+」の「ゆうスポーツ甲子園」のコーナーで、甲子園の様々な企画ものが見られた。夜の「熱闘甲子園」では試合中心の構成で、ナビゲーター役が主となっている長島三奈さんに少し不満でしたが、両方見ることで納得が出来た。
  • 最近の高校野球は少し商業主義に走って、プロ野球の予備軍の養成みたいになってはいないか。後ろにプロ野球のスカウトマンがいるようにも聞いている。昔のような国民的イベントでなくなりつつある。また実況中継でNHKと同時に放送している。電波というのは非常に貴重な有効資源であり、二つも同じものを並列に流しているのは、総務省側から「もっと有効利用するべきことがある」と言われたときに、防御できないと思う。
  • 栗山さんのナレーションが落ち着いていて、画面は非常に動的なのに、動と静のコントラストがくっきりした印象を受けた。番組の構成として特に決勝戦が一番のハイライトだが、それを冒頭に持ってくる工夫もあった。最後は栗山さんのナレーションで締めて、高校野球にはすばらしい指導者がまだまだ沢山いるんだということも、改めて教えてもらった感じがした。
  • 甲子園全体の野球が変わってきたと思う。監督がサインを出して選手に野球をやらせるのではなく、選手の判断に任せるというふうな野球の流れに変わってきている。だから選手が伸び伸びやっており、それが溢れて、とても嬉しかった。
    花巻東は負けたが、彼らは砂を取らなかった。来年につなげたい、自分たちの目標は永遠にあるのだということ。それがとても爽やかで、印象に残ったシーンでした。
  • 甲子園は高校教育の一環の場、ショー的になってはいないかという意見もあるが、素晴らしい印象に残るシーンがある。何を提示し心を釘付けにするのか考えて下されば、まだまだ国民的スポーツを続けていける。
  • 番組の冒頭、決勝戦が映し出された。最後の9回裏のツーアウトで点差が開いているのをジリジリと追い上げている場面で、応援している側のスタンドが映し出され、映像は痛いほど胸に伝わってきた。
    明豊と花巻東の二人の投手のインタビューと試合構成はすばらしかった。時間をかけて取材をし、選手たちとの信頼関係を築いてこられた番組のスタッフの愛情を感じた。
    負けたチームをクローズアップしたのは良かった。負けたときに何が残るのかというそのメッセージ性は大きく、どの場面も心を打たれた。
  • 試合を振り返って、とにかく素材が面白いとそれだけでも番組が生きてくる。その素材をうまく生かせるノウハウと、何よりもつくり手側の思い入れがある。単純にドキュメンタリーのつくりというよりは、今のテレビに一番求められているスタンス、自分たちはどこに立って何を見ているんだということ。この甲子園を映し出す番組ほどはっきりしているものは無いのではないかなと思った。
  • 番組の構成について、冒頭で決定戦の「野球は9回2死から始まる」ということをパッと見せておいて、最後にそれを出してくれたが、つなげ方がもうひとつあいまいだ。菊池投手の準決勝が終わったら、すっと映像は決勝戦につながっている。決勝は菊池選手は関係ない。構成の上ではどこかで切るべきだ。ここは、「野球は9回2死から」というフレーズを地でいくようなもの。時間を取って9回2死のところをもう少し詳しく全体を見せてくれてもよかった。
  • 甲子園には、「夏」という情景の中に「ふるさと」と「青春」が浮かぶ。
    大人たちがノスタルジーを感じるものだ。出場の各校はふるさとを代表している。そのふるさとの情景やトピックスを発信して、もっとノスタルジーを刺激して欲しい。

以上