第581回番組審議会は1月13日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。
〔委員〕
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〔当社側〕 渡辺 克信 会長、 脇阪 聰史 社長、和田 省一 専務取締役、 田仲 拓二 常務取締役、大塚 義文 取締役、 松田 安啓 編成局長、山本 泰弘 広報局長、 岡村 道範 エグゼクティブP、 飯田 新 プロデューサー、 野条 清 事務局長、北本 恭代 事務局員 |
審議課題
創立60周年記念スペシャルドラマ 「境遇」12月3日(土) 午後9時~放送
- キャスティングが非常に生きていたと思う。主役の松雪泰子さんの魅力がこのドラマを上質なものにした。記者役のりょうさんも陰のある役を好演し脇を固めた、いしだあゆみさん、岸部一徳さん、野際陽子さんとか重厚な布陣でドラマを見応えのあるものにしていた。
- ドラマの後半が救いだけになってしまって、一癖ありそうな人たちの物語が展開されずに、伏線であろうと思っていたのが全く回収されずに終わった感がある。早い段階でこの人が犯人だと分かった人がやっぱり犯人だったという、どんでん返しを期待していたら裏切られた。
- 青い空ときれいな水と、「あおいりぼんはおかあさん あおいりぼんはそらのいろ」という詩の繰り返しがドラマに音楽性と色彩感を加えていて、とても気持ちよく見る事が出来た。
- テレビの中のテレビが気になった。テレビ局にあんなに簡単に外部の人が入れるものなのか、あれだけ衝撃的な発言が続くのに、司会者が全く衝撃を受けずに淡々と番組を続けていられるものなのかが非常に違和感があった。ドラマにおけるリアリティとは何かということを考えさせられた。
- テレビスタジオという舞台設定しかも生放送、CMの時間帯のスタジオにはものすごい緊張感が流れる。これを取り込んだ発想は見事だと思う。
- 記念番組らしい力の入った作品だったと思う。前半はややぎこちなかったが、後半は展開もスピーディーになって、この対照が非常におもしろく、2時間の限られた枠でやや説明不足なところがあったが、それがかえってみんなが怪しく誘拐犯のように思わせることにもなった。
- 新聞記者の設定で、社員記者ではないのに、これだけの重大なネタを一人に扱わせるのはちょっとありえないとか、取材相手に簡単にネタを漏らしてしまうとか、「こんなことはないだろう」というところがあった。リアリティにも感覚的なものと、どうしても間違えてはいけないものがあると思った。
- ドラマの舞台になっている松本の風景がきれいだ。こういうサスペンスものにこれだけきれいな画面を表現できるのはテレビの世界だ。原作では決して出せない。一つの深みみたいなものが出ている。テレビ制作者の腕だと思う。
以上