第579回番組審議会は10月14日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。
〔委員〕
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〔当社側〕 渡辺 克信 会長、 脇阪 聰史 社長、和田 省一 専務取締役、 田仲 拓二 常務取締役、大塚 義文 取締役、 松田 安啓 編成局長、山本 泰弘 広報局長、 藤岡 幸男 報道局長、 井上 隆史 ニュース情報センター長、 金指 光宏ニュース情報センター、 坂本 慎吾 映像編集部(カメラマン)、 |
[記者] 野条 清 事務局長、北本 恭代 事務局員 |
審議課題
フリートーキング「震災報道とテレビ報道」ついて
- 原子力発電所事故の報道は、電力会社あるいは政府の楽観的な報道を流し、テレビに出てくる専門家筋や学者が「大丈夫、大丈夫」といっている映像を流していた。これまでは報道機関は「わかったことを報道する」ことを旨としてきたが、この件に関していうと「わからないことをどう報道するのか」が問われてきた半年間だったと思う。
- 不確定なことをあまりセンセーショナルに報道すると、社会不安を引き起こすことがある。線引きが非常に難しい。
- 今回の震災は、阪神淡路大震災と比べると、離れたところでおこったと言うことで、受け止め方もまちまちであった。広がりが非常に大きかったので、全体像がなかなかつかめない。報道として追っかけるのは、かなりの葛藤もあり難しかったと思う。
- レポーターやキャスターが競争するように続々と被災地へ入っていったが、義務でも何でもないので、リポーターの報告を聞いて判断すれば、キャスターはいま行く必要がないと思う。行くのであれば、本当に腰を据えて長期滞在した上での報告を視聴者にしてほしいと思う。
- 原子力発電所に関する報道などはテレビの後追いの部分が目につくので、ソーシャルメディアとの関係を今後どのようにするのかが大きな問題だと思う。その中で未確認情報、ウラの取れていない情報をどのように流すのかという判断が大変重要なファクターになってくると思う。
- 災害時にはその時の状況によって、アドホックにネットワークを作り上げなければならないので、既得権に固執せず、帯域を融通し合った「放送と通信の融合」したフルネットワークをつくる必要がある。
- 専門家の不在が顕著化している。原子力とかエネルギーとかテロ、化学兵器、防災などに 関しては、どうしても専門家が必要で、発災時にしゃべれる人がいないとテレビとしてコンテンツが成り立たない。ANN系列でのスペシャリストの育成を急ぐべきだ。
- 現場に取材に行って「はいご苦労さん」ではなく、行った後のフォローと情報共有が大切。
短い映像でニュースになったというだけではなく、どういう形で出し続けるか、未使用の部分を含め、そのプロセスを社内で共有するシステムが大切だと思う。 - 一番関心を持っているのが放射能汚染の食品問題。農産物・畜産物・水産物・生鮮食料品などに細かく仕分けして、個々の種別に即して安心、安全、に関することをもっとくわしく報道がやるべきである。
- ACジャパンのCMに関しては早いうちから苦情がでていた。CMが放送される枠を、出稿する企業、広告代理店、放送局が、企業の貢献としてどのように使えるのかを充分に検討すべきだったと思う。
- 義援金に関して、もっと明るい前向きな報道をしてほしい。「いただいた義援金でここまで復興できました」「あともう少しあれば、こんな事が出来ます」というようなことがあれば、積極的に募金できるのではないかと思う。
以上