第57回番組審議会

  第56回番組審議会 11月27日(月)開催

〔出席委員〕
影山 貴彦 委員長、土谷 多恵子 副委員長
本渡 章 委員、西川 秀昭 委員、

岡 真裕美 委員  

〔当社側出席者〕

岩田 潤  代表取締役社長
大幸 雅弘 常務取締役 兼 事務局長
石田 琢真 プロデューサー

審議課題

アマチュアたちのM-1グランプリ2023「with…」』 12月17日(日)  21時00分~22時30分 放送

委員の主な発言

〈番組の評価点〉  

  • ドラマのモチーフとなった母子漫才コンビの少年、愛土(あいと)君の目が見えないことについて、必要以上に‘お涙頂戴の感動物語’にしていなかったところが良かった。障がいが分かってからのご両親の不安や葛藤も並々ならぬものであったであろうが愛土君が夢中になれるものを見つけ、一生懸命挑戦している姿を見るご家族の嬉しさはいかばかりだったろう。そういった部分をもっとドラマチックに伝え、リスナーを号泣させる話にしようと思えばできたと思うのだが、今回のドラマは特別扱いせず明るく次に続いていく話にしていた点はとても良かったと思う。

  • ドラマの最期にやっとタイトルの『with…』の意味が解った。山田洋二監督の松竹映画『息子』のイメージ・ソングだった中島みゆきの『with』。彼女はこの歌を手話を交えて歌っていた。昨年のドラマもそうだが、中島みゆきの選曲はいいなと思った。

 

〈番組の課題〉 

  • 全体としては良かったが、ドラマの完成度は前回の方が高かったと思う。60分は少し長いと感じた。昨年放送した『アマチュアたちのM-1グランプリ2022』は、2本とも完成度が高かったせいもあり、今回は細かいところで気になる点がいくつか目についた。ひとつは特定の語彙の頻出。 “大丈夫”という単語が17回。約3分半に1回の割合で“大丈夫”がセリフやナレーションに出てきて、耳についた。それからドラマの中で誰が話しているのか、わかりにくい場面がしばしばあった。登場人物が端役を含めて多かったのも影響しているように思う。
  • ドラマを聴いていて“点字は授業に必要ない、愛土くんだけでいい”と言う生徒に対しての黒田先生のセリフで“先生もそう思ってた、子供の頃は。ところが愛土くんがクラスにやって来て点字を勉強するハメになってる。大人になってから勉強するのはヤダぞ~。”        大きくなってから点字を学ぶのは嫌なことで、そんな目にあわないよう、今から勉強しておこうという呼びかけ方は、視覚障がい者のリスナーにはどう聞こえるのか、気になった。

番組制作側から

  • 『M-1グランプリ』というテレビのコンテンツに関連した番組として制作したが、昨年に引き続き今年も聴いてくださった方が多いのでラジオドラマは継続して作っていければ、と思う。