第8回番組審議会 1月21日(月)開催

〔出席委員〕
影山 貴彦 委員、白井 文 委員
土谷 多恵子 委員、本渡 章 委員

小西 雅之 委員  

〔当社側出席者〕

勝山 倫也 代表取締役社長
岩城 正良 取締役 兼 事務局長
嶋田 一弥 編成統括本部長 

八木原 明俊 プロデューサー

 

※朝日放送テレビ事務局

矢島 大介 事務局

石原 康男 事務局員、北本 恭代 事務局員

審議課題

10.19~7時間33分の追憶~

      11月18日(日)午後4~5時放送

 

委員の主な発言

〈番組の評価点〉 

  • 芸術祭参加作品にふさわしいアピール力を持った番組と思った。

  • 間違いなく秀作。このように丁寧に番組作りをする人たちが存在することに喜びを感じている。

  • たくさんの方に聴いていただきたい。

  • インタビューを中心に、当日の球場やメディアの動きなど背景の解説、そこに試合の実況中継をまじえており、                   起伏と臨場感のある構成がよかった。

  • 昭和の最後の名勝負は平成の30年間を再考させ、次の時代のプロ野球のあり方を考える好材料を与えてくれた。

  • まるで映像を見ているように感じた部分があった。そして映像以上にドキドキした。

  • 伊藤史隆アナウンサーのナビゲーションは非常にスムーズ且つ適度な抑揚もあり、リスナーにとって素直に耳に入る                  内容だった。

  • 当時のアナウンサーのインパクトのある実況は迫力があり、緊張感あふれる試合展開が見事に伝わり、                                  今聞いてもハラハラドキドキさせてくれた。

  • 最後の安部憲幸元アナウンサーの泣きながらの実況「奇跡の逆転優勝、成らず、成らず・・・」には私も泣いた。

  • 元選手達のインタビューは、当時の追い込まれた心境やその時の状況、意外な心理状態などがちりばめられていて、               上手く各選手の想い出を引き出せていた。

  • 阿波野元選手がインタビューで言葉に詰まった「沈黙」は言葉を重ねることだけが人の心を動かすものではないと                   改めて教えてもらった。ラジオならではの感動だ。

 

〈番組の課題〉 

  • 欲を言えば、対戦相手であったロッテの選手や座して勝敗の結果を待つしかなかった西武の選手などのインタビューも      あれば、より立体的な構成になり全体の面白みも増したのではないか?

  • あの日の「ニュースステーション」での久米宏さんの「数多く今夜もニュースを伝えたいが、今夜はこの野球中継を・・・」という  コメントも番組に挿入することができていれば、さらなる効果が得られたのではないかと少し思う。

  • 番組冒頭の「昭和の最後の名勝負を平成の最後に振り返る」という主旨は一般の番組としてはもう一言欲しかった。

番組制作側から

  • 10.19が単なる昭和最後の名勝負を超えて、日本のプロ野球を変えるという意味合いを持った日であった事をみなさんに   知ってもらいたいという気持ちで制作した。

  • ロッテの選手のインタビューは当初考えていたが、阿波野氏のインタビュー収録後に必要性を感じなくなった。彼が「普通の      名勝負には誰か主役がいるが、この試合は皆が主役だった」と語ってくれた。これこそがこの番組の芯ではないかと思い至った。

  • 一昨年亡くなった安部元アナへの敬意を払うためテレビの実況をあえて利用した。ラジオの担当は武周雄元アナだったが 武氏本人もそうすることを望んだ経緯がある。

  • ABCは高校野球も含め野球中継において先輩方の熱意が伝統的に引き継がれている。

  • 当時、番組内容を変更するという英断を下した「ニュースステーション」はすごいと思った。放送局は臨機応変に対応して   いくことが大事ということを、当時を知らない若い社員にも伝えていきたい。

  • この企画を初めて聞いた時、とても楽しみだなと期待をもった。10.19を知っている人と知らない人とでは温度差がかなり   出るのではと心配したが、出来上がりを聴いてみるととてもバランスの良い両者共に聴ける番組が完成していた。      ラジオでしか出来ない、言葉で感動を呼び起こすことができたと思う。

以上