第639回番組審議会 10月13日(金)開催

〔出席委員〕
井野瀬 久美惠 委員長、道浦 母都子委員、
星野 美津穂 委員、橋爪 紳也 委員、
淺井 栄一 委員、高見 孔二 委員、
小松 陽一郎 委員、北川 チハル 委員、
古川 伝 委員

 

 

〔当社側出席者〕
脇阪 聰史 社長、
緒方 謙 取締役、山田 裕之 取締役、
清水 厚志 総合編成局長、

株柳 真司 コンプライアンス局長、
岩田 潤 制作局長、森 和樹 プロデューサー、
田中 徹 事務局長、西澤 萠黄 事務局員、
北本 恭代 事務局員

審議課題

『名医とつながる!たけしの家庭の医学 3時間SP』
<事前視聴 2017年9月26日(火)午後7時~9時48分放送>

委員の主な発言

<番組の評価点

  • 健康寿命と平均寿命の差を縮めるという、大変良いところにスポットを当てていて、大正解。内容も元気に長生きという、この切り口も非常によかった。
  • 内臓脂肪を減らすのも脳の老化防止も、お金がかからなくて、絶対にリスクのない方法を提案している。タオルで手を刺激するとか肩のストレッチとか、やってみよう、いう気にさせるところが非常によかった。ただし、科学的な検証をもう少し入れて欲しい。
  • 以前、視聴者の不安をあおるような演出があって、不快に感じたこともあった。今回の番組は行き過ぎた演出がなくて、むしろ誠実に作ろうとしている姿勢が感じられてほっとした。
  • 内臓脂肪減らすのに効果があると紹介された「アカモク」(海藻)の処理法などはわかりやすかったが、どこでも手に入る食材ではないのなら、代わりになる情報があると嬉しかった。
  • ビートたけしさんの存在は非常に大きい。番組の格が上がって、信頼感が出るように思う。
  • 最後にたけしさんが名医と2人きりで5分ほどしゃべるのは非常に良い。たけしさんは真面目なことをしっかりと話せる。最後にたけしさんと名医が何か言うことで、もう一回記憶に残すことが、この番組の一番良いところではないか。
  • テレビ的にキャッチーなところを番組としてうまく切り取りながら、「たけしプラス名医」によって保たれている信頼が朝日放送制作の大きなメリットなので、そこの更なるパワーアップを期待する。

 

<番組の課題

  • この種の「健康に気をつけよう」という番組が多すぎる。全局やっている。「うちの番組はここが違う」というのが欲しい。
  • 「驚きの結果」とか「みるみる減っていく」とか「スーパー海藻」とかやたらに大袈裟。「本当か?」と思ってしまう。
  • 健康情報を実際に具体的に色々教えてもらい、参考になった。ただ、「NGF」とか「DHEA」とか、成分や薬の名前がよくわからないので、憶えられない。もう少し詳しく説明してもらえればよかった。
  • 健康に良いとされる食材の過剰摂取とか、ブームの去った後の問題や弊害についても、番組内で少し触れたらいいと思う。
  • セカンドオピニオンのコーナーでは、VTRが医者目線で進んでいたが、患者目線だったらよかった。セカンドオピニオンを受けたい場合、どのように主治医に伝えたらいいのか、また受けることのメリットとデメリットの情報がもっと欲しかった。
  • 項目ごとにきっちり構成されていたので、途中から見た視聴者でも十分理解できたのではないか。ただVTRが多いので、せっかくスタジオに来た方とのやりとりが極めて少ない。こんなにゲストを呼ばなくてもよかったのではないか。
  • 3時間弱の番組は余程時間のある人でないと付き合えない。情報量と時間という意味ではバランスがとれていないと思う。
  • 「名医」がスタジオまで来ている割には、スタジオでの出番が少なく物足りない。番組最後のたけしさんと医師との対話もあまりに短く、もったいない感がある。
  • まだ「名医とつながる」というコンセプト自体がうまく伝わっていない。「健康寿命」という使い古された言葉でなくて、新しい朝日放送発の健康寿命の概念を出せたら、わざわざ見ようと思う。

番組制作側から

  • 「家庭の医学」が2004年の春にスタートしたときの目的は「予防医学」だったが、その後リニューアルして「早期発見」を、今回は中高年の健康意識の高まりを受け、「元気で長生きするために」をキャッチフレーズにした。
  • 今、同じような医学・健康番組の中で、この番組がどう生き残っていくかを考えたとき、たけしさんという存在と名医だからこそ知っている情報を、となった。「この番組だから出てもいい」といってくださる先生は非常に多い。
  • 視聴率をきちんととるため、アカモクを「スーパー海藻」とテレビ的な表現もするが、キャッチ―にしすぎるのも良くないというせめぎあいはある。とにかく、番組が扱う情報については、効果についてのエビデンスを持ち、実際にどう良いのかなど、名医の先生と相談しつつ出している。

 


以上