第632回番組審議会は2月17日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。

〔委員〕
酒井 孝志 副委員長、道浦 母都子 委員、
星野 美津穂 委員、淺井 栄一 委員、
高見 孔二 委員、小松 陽一郎 委員、
北川 チハル 委員、古川 伝 委員

〔当社側〕
脇阪 聰史 社長、
松田 安啓 常務取締役、緒方 謙 取締役、
岡田 充 編成局長、木村 光利 コンプライアンス局長、
嶋田 一弥 ラジオ編成業務部長、
湯目 博史 プロデューサー(AMC)、
戸石 伸泰 事務局長、北本 恭代 事務局員

審議課題

ラジオ番組『武田和歌子のぴたっと。』
<事前聴取 2017年2月6日(月)午後3時~5時放送>

番組の良かった点

  • 武田和歌子アナウンサーにすごく親近感を持った。ご近所との井戸端会議風、茶飲み友だちとの他愛のない会話風で、武田アナのキャラクターはこの時間のパーソナリティには良いのではないかと思った。
  • 武田アナは非常に聡明で、受け答えが迅速というか、自然な感じで相手も引き立てていくキャラクター。リスナーが「きょうはしんどいなあ」と思っていても、明るくしてくれる、これはすごいなと思う。
  • 武田アナは人柄の優れた方だろうなと思いながら聞いた。月曜日パートナーの越前屋俵太さんとのやり取りが軽やかで聞きやすかったし、特に受け答えが絶妙。「就活」というテーマで学生たちからの「働くってどういうこと?」という質問に対して、さらりと「置かれたところで咲くことだ」という風に答えていた。さすがだと思った。
  • 武田アナのパキッとした声とか話し方が、昼間のラジオにぴたっと合うと思った。また、俵太さんの声をラジオで聞くのは新鮮だと思った。
  • 俵太さんに比べてちょっと言葉に詰まる武田アナの感じとか、それをフォローして盛り上げようとする俵太さんの感じとか、すごくリアルなライブ感があって良かった。二人の言葉のやり取りに人柄がにじみ出ていて、その瞬間に二人のファンになったような、応援したくなるような気持ちになった。
  • 俵太さんのタレント活動の復活は、同世代として喜ばしい限り。「ハイヤングKYOTO」(KBS京都)のリスナーとして、俵太さんの番組をよく聞いていた80年代を懐かしく思い出した。
  • 「トピックス」を取り上げた時に、俵太さんが素人風にコメントしていた。ニュース番組等で賢そうな人がコメントしているのはいくらでも聞いているが、素人がコメントしながら皆で深く突っ込んでいくというのは新鮮で、なかなか良いのではないかと思った。
  • 長岡天神駅前の牡蠣小屋からの生中継で、リポーターが焼いた牡蠣を食べるシーンに思わず唾液が出た。映像がなくても想像力をたくましくさせてくれるラジオの強さを感じた。また、牡蠣小屋を始めた方たちの東北復興の思いも生の声で伝えられていて好感を持った。
  • 一番印象に残ったのは、クイズの答えでオイスター(牡蠣)の語源は「骨」ということがわかったこと。この番組を聞いて一つ賢くなったと思った。
  • 『ぴたっと。』という番組名は、覚えやすいし、語呂が良いし、番組のコンセプトとも合っていて、なかなか良い名前ではないかと思った。
  • たまにラジオを聞いて好きになれないのがラジオショッピングのコーナーで、商品を紹介する人と番組パーソナリティとの掛け合いがいかにも作られた感じで嫌だったが、この番組ではそういうことはなくてホッとした。
  • パートナーが曜日ごとに替わることで、聞いている方も新鮮な感じがするし、色々な話題が聞けるし、パートナーの声を聞いたら曜日がわかるというのもあって、習慣性が強いラジオの特性にピッタリ合っていると思った。

番組の課題

  • 越前屋俵太さんは、私が学生の頃、人気タレントだったが、昼間に向いていないのか、ずっとテンションが高くて落ち着かないと感じた。俵太さんのキャラクターが濃く、武田和歌子アナウンサーのキャラクターがあまり前に出ていない。「メインは誰?」と思った。
  • 武田アナと俵太さんとの掛け合いは、自由に展開をしたいはずの俵太さんと、真面目に進行しようとする武田アナとの間尺が合っていないように聞こえる場面が少なからずあった。特に武田アナがネタをふる案件で、話が充分に広がらない場合があった。
  • 俵太さんが自由に話をし、武田アナがケラケラと本気で笑っている時の雰囲気は良い。俵太さんがメインのパーソナリティで、武田アナが進行を担うアシスタントのような役割に回っているような時が面白い。武田アナの冠番組なのだが、その辺りをリスナーがどう感じているのかが気になった。
  • 俵太さんのおしゃべりはすごく好きだが、声がハスキーで早口なので、私にはちょっと聞き取りにくい部分があった。
  • 昼間の番組であるからだろうか、俵太さんが本来の奔放な語り口を抑えている感じが強い。唯一、学生をスタジオに入れてからのやりとりは、「素人をいじる芸」として見事で、生き生きとしていて面白かった。
  • 楽しそうだが、あまりにも淡々と雑談しているだけではないかと感じた。2時間あるのだから、せめて一回くらいは、「何やろ、聞いてみよ」とか、「子どもに教えてやろう」という話をして欲しい。そういうドキドキ感がなく、聞いても聞かなくてもどっちでも良いという感じ。
  • ラジオは、社会性があるものと家庭的なものの両方が求められていると思う。「天下り」とか「辺野古」のことを話題にしていたが、もう少し突っ込んで、武田アナの意見、俵太さんの意見を、ああいう大きなニュースにプラスして話しても良いのではないか。
  • ロック・バンドのガンズ・アンド・ローゼズの曲がガ~ンとかかって、急に「ロックかぁ」みたいな感じで違和感があった。また、番組全体におしゃべりが多くて、音楽はこれ1曲だけだったので、もっと音楽が入っていても良かった。
  • ラジオの中継は、リポーターがもっと感情を出せるところに行かせるべきではないか。例えば高層ビルの窓拭きをしながら中継をすると「怖い~」というのが出る。今回は牡蠣小屋で美味しいものを食べているだけだから、「美味しいんやろな」としか思わない。そこが中継としては弱いところではないか。
  • 牡蠣小屋からの中継は、駅前の一時的な空地で期間限定、やっているのがシェアハウスのメンバーとか、今日的な話題が色々入っていて面白かったが、毎日こういうネタを探してくるのは大変だろうと思った。

番組制作側から

  • 午後のホッとする時間を作れればと思い制作している。「あなたの“今”に『ぴたっと。』する!」「知りたいニュースが『ぴたっと。』わかる!」「今の音楽が『ぴたっと。』聞ける!」等の「ぴたっと。」をキーワードにしている。
  • 7年前に、当社の女性アナウンサーとしては初めてのメインパーソナリティに武田和歌子アナウンサーを起用し、若手男優をアシスタントにして始めた番組。6年目くらいに、少し刺激が足りないのではないかと感じられるようになり、編成から制作に、「何か違うことを考えて欲しい。武田アナのステップをもう一段上げたいので、その方法を考えて欲しい」と申し入れた。
  • 昨年までは、武田アナと男性アシスタントという形で放送してきたが、今年1月を機に日替わりのパートナー制にした。月曜日のパートナーは越前屋俵太さんで、タレント活動復活記念第一弾のレギュラー番組ということでお招きした。
  • 俵太さんを選んだ理由は、一度ゲストにお招きした時の印象が、以前知っていた俵太さんとは違って、学校の先生もやられているということで、一つひとつの言葉に重みを感じたから。もちろん話題にもなるのではないかということも含めて選ばせてもらった。

以上