第619回番組審議会は10月9日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。
〔委員〕
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〔当社側〕 |
審議課題
『おはよう朝日です』
<事前視聴 9月16日(水)午前6時45分~8時放送>
番組の良かった点
- 「中身がてんこ盛り」「コテコテの大阪の味」という印象の番組。占いだけ好きな人、天気だけ気にする人、渋滞情報を気にする人、色々な視聴者が「そこだけ見よう」ということで良いと思う。それで視聴者の層が広がってくる。
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全国ネットではなく、地元密着のニュースが非常に多いということが、選ばれている理由の一番ではないか。
- 岩本計介アナウンサーの「朝トレ! キーワード」のコーナーは、キーワードもタイムリーだし、彼が一所懸命説明しているのも、わかりやすくポイントを突いているし、時間のない朝の情報番組で、ああいうコーナーはありがたいと思った。
- 正木明キャスターの天気予報は、関西を中心にわかりやすく説明しているので頼りになる。
- 「みんなの天気」で、視聴者にテレビのリモコンのカラーボタンを押してもらって情報をもらっているのが、いかにも地域に密着しているローカル番組らしくて良い。同様に、携帯をうまく使って「こんな情報をください」と視聴者にお願いするとか、もっと情報の探し方があるのではないか。
- 出演者のテンションは高くても良いと思う。朝6時45分から8時までずっと見ている人はいないと思うから。いるとしても、何かしながら見ている人が多いだろうから、大げさに言ってもらった方が、「何だろう?」と思って注目する。
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『おはようコールABC』から『おはよう朝日です』への転換の仕方がすごく考えられている。チャンネルを変えられないように、すっと終わってすっと始まるようになっている。
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朝6時過ぎから8時までと夕方の時間帯については、絶対に視聴率を取らないといけない。ニュース、天気予報、グルメ、芸能、占いなど、各局が同じことを放送している時間帯だからこそ、切り口で勝負して、「朝トレ! キーワード」のようなコーナーをきちんと作って、絶対に勝つべきだと思う。
番組の課題
- すごく明るい番組で良いのだが、出演者のテンションがあまりにも高すぎると、ちょっと引く。出演者が張り切りすぎているのか、ハチャメチャな感じがして、こんなに忙しい番組だったかなと思った。
- 大阪弁のノリなのか、話すテンポが他局に比べすごく速いという印象があった。また、出演者が非常に多いという印象で、何故なのかと思った。
- 淡路島の名産を紹介するコーナーで、リポーターのわざとらしい驚き方と、強力なボケ・ツッコミが非常に印象的で、通販番組の作り方とよく似ていると感じた。それを批判する気はさらさらないが、テレビの情報番組とはそういうものなのだなと感じた。
- スポンサーについているわけでもないのに、特定の企業の催事の宣伝をするというコーナーが、他局も含めた情報番組では横並びで行われているように思う。「タイアップなのか?」というような番組が多すぎるのではないか。企業の事業についてどういうスタンスで報道しているのか、何か基準はないのかと強く感じた。
- 先取りをして、番組スタッフが絶対これが流行ると思っているものを紹介するのがテレビのやり方。だから先を見る力がないと面白いものはできない。そこの切り口とか探し方が、ちょっと足りないのでは。雑誌が書いたものの後追いにすぎないことがよくある。
- 情報が何でもあるが、メインがない気がする。朝の番組なのだから、岩本計介アナウンサーがメインとなるニュースがあって、それにプラス芸能情報や季節の情報、グルメ情報などがある方が良いのではないか。メインがわからなくて、流れていくような感じがする。
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今回のMC変更に関しては、さほど違和感がない。それは肯定的に言っている面もあるが、実はMCが際立っていないという面もあって、あまり変化を感じない。スタジオ進行の個性があまり感じられなかったというのは、良い意味でもあるし、課題でもあろう。
- 「朝トレ! キーワード」のコーナーは面白いと思ったが、約5分間だった。淡路島の名産を紹介するVTRが10分間近くあったのに比べると、ちょっと短いかなと思った。
- スポーツ・コーナーでの「藤浪、おめでとう!」とか「いいぞ、藤浪!」というMCのコメントは「ちょっと違うな」と思った。友だち扱いというか、親しさを出しすぎているというか、聞いていてあまり好きではなかった。
- 正木明キャスターのお天気は、落ち着いていて、番組の中でアクセントにもなっている。ずっと続けているが故の軸みたいなものだし、その前後で、改革とか、もう少しバージョンを変えてみるとか、恐れずにやってもらいたい。
- 朝、チャンネルをどこに合わせるかというのは癖みたいなもので、一旦どこかに合わせたらずっとそのチャンネルになる。ということは、若年層から狙っていって、どこかで癖にしていくことが、見られることのポイント。そのために地元ネタを色々なバージョンで伝えることが効果的ではないか。
- 朝番組には、家族がそれぞれ朝の支度をしながら見ているイメージがあるが、今や高齢者が一人で見ているケースが圧倒的に多いのではないか。日本人の朝のすごし方が多様化している中で試行錯誤をしていけば、より良い番組になっていくと思う。
番組制作側から
- 1979年から続く長寿番組。今年4月で、MCが浦川泰幸アナウンサーから岩本計介アナウンサーに替わった。岩本アナは入社16年目、それまでスポーツ実況一筋だった。『おはよう朝日です』は情報番組なので、報道や芸能について勉強しているところ。体力があるので、自ら体を使ったロケなども随時行っており、その辺りで岩本カラーを定着させたい。
- 淡路島の名産を紹介するコーナーが「通販番組のようだ」との指摘については、ああいう演出が続くとしんどいというのは認識している。ただ、あの演出で名物になっている出演者もおり、その辺りも生かしつつ、きっちりと情報を伝えるように心がけていく。
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「テンションが高すぎる」とか「早口である」との指摘については、スタジオの分量が少なすぎることに一つの原因があるのではないかと考えている。基本的にVTR部分は視聴率が高いので、VTRが多めになりがちだが、ちょっと過度になっていると感じている。スタジオの分量を増やして、落ち着いてトークをしようと思いながらやっているが、できていないのが実情。
以上