第557回番組審議会は、7月10日(金)に開かれました。
出席委員はご覧の方々でした。
〔委員〕
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〔欠席委員〕 村田 晃嗣 委員、 宮原 秀夫 委員 |
〔当社側〕 渡辺 克信 社長、北畠 宏泰 専務、 福田 正史 取締役編成本部長、田仲 拓二 取締役、 山本 晋也 編成局長、田中 俊行 制作局長、 森山 浩一 部長プロデューサー、 柴田 聡 プロデューサー、本城 謙三 広報局長、 小関 道幸 事務局長、藤沼 純夫 事務局員 |
ラジオの番組改編について説明
<要旨>
7月からタイムテーブルを大幅に変更した。
主な番組改編は、平日午前中の「全力投球!!妹尾和夫です」に代わって、土曜の早朝に放送、高い聴取率を得ている「ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です」を平日にベルト編成、土曜早朝に「ようこそ!伊藤史隆です」や、土曜の午後に「楠淳生のやんちゃな!weekend」など、局アナウンサーで放送。
さらに若者層のAMリスナーの開拓に向け、平日深夜帯も刷新。
月曜~木曜 午後10時からニッポン放送「宇宙Gメン TAKUYA」、午前0時から文化放送「レコメン!」。月曜~金曜 午前1時からはTBSラジオ「JUNK」と東京各局のネットを受ける。番組改編について委員に諮り了承された。
番組審議:「必殺仕事人2009」第17話 5月22日(金)午後9時~9時54分放送
<あらすじ>
「ゴミ屋敷」が舞台。荒れ果てた元旗本の幽霊屋敷、日暮れになると火の玉が飛び、啜り泣きが聞こえる。ゴミ捨て場と化し悪臭を放つゴミ屋敷をなんとかして欲しいとの町人たちの訴えに、自身番の中村主水(藤田まこと)が出かける。屋敷には裏稼業の始末人・アヤメ(加賀まりこ)が住む。表沙汰にできないワケアリの骸を、金を貰って跡形もなく消してしまう稼業だ。
しかしアヤメはゴミ屋敷に死体を隠しているわけではなく、身寄りのない老人たちの面倒を見ていた。老人たちの世話する費用は、屋敷に隠されていた5千両、極悪非道の盗みを働いて姿を消していた土蜘蛛一味のものだ。一味が再び江戸に姿を現した…。
<以下 出席委員の意見 要旨>
- 現代の社会問題を取り上げている。あまり現代とイコールというのは、違うのではないか?オーソドックスでシリアスな時代劇の方がいい。今の写し世のような感じに違和感を覚える。
- 現代の社会問題、世相を反映しすぎるのはどうか?ストーリーは複雑なのだが、相反して見ているものには単調な感じがする。
- 週刊誌のコラムに東山さんが「必殺」のことを書いている。「救いのない人たちを生み出す社会へ怒り」が書かれ、役づくりで“虎が獲物を狙うような”、すさまじい殺しの表情を作り裏の世界を演出していることなど、ひしひしと伝わるものがある。現実の世界ではなく、映像の世界だから出来ることだ。一層番組に親しみを覚えた。
- 東山さんがどうも中途半端に思える。かなり男前で、刀を振ると敏捷だ。下っ端役人を演じても光ってしまい、奉行が歩いているように見える。ボケきれないので、藤田まことと同じ婿殿をやらせるのは無理があるのではないか。
- 舞台でも映画でも時代劇が不振な中で、2クールもやり、視聴率も取られたことは、スタッフのすごい努力だ。前の「必殺」のイメージで今回の「必殺」を見たらいけない。今は劇画文化がどんどん出ている。この「必殺」は、もっともっと劇画なのだと思う。
- 勧善懲悪で「水戸黄門」の裏版のように対照的で、違う美学を見せてくれる。ワンカットがとても丁寧で、ワンシーンしか出ない役者さんもきちんと演じている。今回はゴミ問題、老人問題など、いかに現代を吸収して時代劇に投影するかが大きなテーマだ。現代を取込んで下さるのは賛成だ。
- “世相を反映しすぎる”という意見について、例えば、ゴミ屋敷が姥捨て山になり、無謀にごく簡単に老人たちが殺されるというストーリーだ。恨みの深さや殺しの意味を、現代とどうオーバーラップさせるか?もう少し丁寧な脚本が欲しい。今は勧善懲悪が成立しにくい、恨みの深さが分かりづらい時代だ。殺す理由のある種の説得性、殺し方の美学、そこに過去と現代を重ねて欲しい。
- 画面構成のうまさだ。ゴミ屋敷の大きな木の下にしゃがむ女、屋根瓦の上を歩くカメラワーク、障子に浮かぶ男の影。番組が長生きすると思うのは画面構成の素晴らしさだ。現代風なものを味付けし、劇画的要素も入ってきた。しかし根っこにあるのは勧善懲悪番組。この視点はぶれたらいけない。それで安心して見る視聴者がたくさんいる。
以上