第592回番組審議会は2月8日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。
〔委員〕
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〔当社側〕 渡辺 克信 会長、脇阪 聰史 社長、 和田 省一 専務取締役、田仲 拓二 常務取締役、 大塚 義文 取締役、松田 安啓 編成・制作担当補佐、 岩田 潤 編成局長、山本 泰弘 広報局長、 三村 晃久 ラジオ局長、 橋本 祐子 ラジオ編成担当部長、 戸石 伸泰 事務局長、野条 清 事務局員、 北本 恭代 事務局員 |
審議課題
ラジオドラマ『6COLORS』全6話<事前視聴 11月~12月放送>と「ラジオにタッチ!」キャンペーンについて
番組やキャンペーンの良かった点
- ラジオドラマは、滑舌が良いことと、演技力があることが絶対条件であると思う。そういう意味で、小栗旬と蒼井優は素晴らしかった。
- 6話とも身近な出来事をうまく取り上げ、ドラマに仕立てている。こういうコンテンツを次々と発信することで、ラジオ離れしかかっている人たちを振り向かせる努力をお願いしたい。
- ラジオドラマは想像力をかきたてられるし、聞きたい時に聞ける専門チャンネルがあれば良いと思った。最近は電車内で、ほとんどの人がスマートフォンをいじっているが、そういう時に使えるコンテンツにすれば良い。
- ラジオの一番の力は生で聴取者と交流できること。地震報道などの時にいかに交流できるか。各局手をつないで何かをする体制を整えるのは重要なことなので、一緒にキャンペーンすることはものすごく良いことだと思う。
番組やキャンペーンの課題
- ラジオドラマの場合は集中して聞かないとストーリーがわからない。いわゆる「ながら」聴取がしにくいので、1話30分はしんどかった。
- 在阪局の制作なのに、どうして皆、標準語で語られているのか?
- 「6COLORS」の色の意味がわからない。例えば7色なら虹や夢につながるが、何で6色なのか。6局だから6色なのだろうが、無理やり色とドラマを掛け合わせているようで、とりとめがなさすぎる。
- 第4話「イエローボーイ」の最後の部分で、砂場が放射能で汚染されている、だから病院へすぐ行かなければならないという話になっていた。非常に今日的だが、何となく東日本大震災の被災地に対する差別や偏見を助長するようでひっかかった。
- コブクロ、小栗旬、蒼井優ら人気者を使っていたが、果たしてこのキャンペーンがどこまで伝わっていたか。何人かに知っているか訊ねたが、「そんなキャンペーンあったかなあ?」という反応しかなかった。
- ラジオ聴取層の裾野を広げたいというが、若い世代ということを漠然と想定している気がする。東京で行われた同様のキャンペーンでは19歳以下が想定された。大阪では30~40代を想定したのは何故か?
- もっと作家を発掘する方が良い。せっかくのキャンペーンなので脚本を一般募集するとか。放送局なんだから、作家を育てることも重要。
- 新進気鋭の脚本家を使うのなら、彼らのインタビューをポッドキャストに出すとか、小栗旬や蒼井優もツイッターをするとか、radikoにアクセスしてもらいたいなら、もっとそういう仕掛けが欲しかった。
- 今のラジオは、あまりにもパーソナリティに依存しすぎで、どの局を聞いても一緒。昔はお笑い番組や子ども用のラジオドラマなどがあった。もっと色々なことをしてみるべきではないか。
- ラジオドラマというのは、個人的には残って欲しい。ただ、文化として残すのか、ビジネスとしての可能性を見出してやるのかについて、今のラジオ局の経営者はどれくらいコンセンサスを持っているのか。
番組制作側から
- キャンペーンの実務者会議が始まった時、ラジオは色々な人が聞いているので、年齢で切ることはやめようとなった。それよりも受信機を持っておらずラジオを聞いていない人に、パソコンやスマホでラジオが聞けることをアピールしようと。パソコンやスマホのユーザーの中心は30~40代。必然的にその層に向けることになった。
- 今回、各局からディレクターに集まってもらったが、ラジオドラマの経験者が極端に少なかった。経験の足並みが揃っておらず、脚本を募集したり、脚本家を育てたりといった環境になかった。
- キャスティングについて、最初は関西出身の俳優をリストアップしたが、ラジオドラマの場合、本当にネイティブに関西弁がしゃべれないと難しい。そこに縛られると選ぶ範囲がすごく狭くなるので、とりあえずスマホ世代が聞きたい人は誰かということで考えた。
- 宣伝媒体については、まずサイトへの誘導を考えた。例えば検索システムで「蒼井 優」と入れたら、蒼井 優の出演番組は全て出てくるようなサイトを作り、今回のラジオドラマもそのサイトから聞けるようにした。その他、テレビや電車の吊り広告、イベント情報誌への連載などでキャンペーンを張ったが、どこまで届いたかは課題。
以上