第590回番組審議会は11月9日(金)に開かれました。出席委員と当社出席者は以下の方々でした。
〔委員〕
|
〔当社側〕 渡辺 克信 会長、脇阪 聰史 社長、 和田 省一 専務取締役、田仲 拓二 常務取締役、 大塚 義文 取締役、松田 安啓 編成局長、 山本 泰弘 広報局長、大島 尚 報道局長、 矢島 大介 ニュース情報センターニュース担当部長、 今村 俊昭 制作局長、岩城 正良 テレビ制作部長、 奈良井 正巳 プロデューサー、 戸石 伸泰 事務局長、野条 清 事務局員、 北本 恭代 事務局員 |
審議課題
1.尼崎変死事件被告写真取り違え報道の報告
2.『朝だ!生です旅サラダ』<事前視聴 11月3日(土)午前8時~9時30分放送>
1.尼崎変死事件被告写真取り違え報道の報告
[尼崎変死事件被告写真取り違え報道の経過報告]
- 尼崎変死事件角田美代子被告写真取り違え報道について、まず報道局から以下のような経過報告があった。
・10月19日午後9時頃 取材スタッフが当該顔写真を入手。
ANNには、被疑者の顔写真を使用する場合、本人と面識があり、かつ立場の違う3人が写真を見て本人かどうか確認するというルールがある。それらの確認をとり、同日の「報道ステーション」で当該顔写真を放送。翌日から朝日放送ローカルでも放送。
・10月30日 共同通信が写真の使用差し止めを加盟社に配信。
・10月30日夜 誤報と確認。
・10月31日 午前0時27分のローカル・ニュースでお詫び放送を始める。
・10月31日 テレビ朝日も午前6時前のANNニュースでお詫び放送を始め、同日の「報道ステーション」まで続けた。
[尼崎変死事件被告写真取り違え報道に関する各委員の意見]
- 写真の確認をする時に、どういう聞き方をしたのか?当該写真を見せて「角田被告だと思うか?」と聞けば、「うん」といわれたらそれで終わりだろう。例えば写真が100枚あって「このうち角田被告はどれか?」と聞いて、「これ」と指してもらうならわかるが。
- 今回の問題は写真確認の3人ルールが守られなかったから起きたのか、守られたのに起きたのか、そこを明確にして欲しい。守られなかったなら問題だし、ルールを守ったのに誤報になったのであれば、ルールそのものを変えないといけない。
- 今回の検証が、視聴者にあまりオープンになっていないのが気にかかる。報道機関は影響力があるので、間違ったら、それに対する検証をもっとオープンにするべき。
- 再発防止に向けて検証して欲しい。再発防止策をきちんと立ててもらうよう特に要望する。
2.朝だ!生です旅サラダ
[『朝だ!生です旅サラダ』に関する各委員の意見]
- 「旅サラダ」は、スタジオの雰囲気などが大阪制作とは思えないさわやかさ。
- 安心して見られる良い意味でのマンネリ番組。
- 勝俣州和さんの「俺のひとっ風呂」のコーナー時に、南三陸の温泉場を紹介したのは、東日本大震災の被災地に対して、ああいう応援の仕方もあるのだなと、とても良い感じで受け止めた。
- ラッシャー板前さんの中継コーナーは、地方局のアナウンサーとのコラボレーションが大変面白い。生放送の緊張感があるからだろう。
- すごく細切れに色々なコーナーがあり過ぎる。ラッシャー板前さんの中継コーナーも、細かい段取りをこなしていくのに精一杯な感じがする。
- 海外旅行をリポートする旅サラダガールズのボキャブラリーが少ない。例えば食事の紹介でも、こちらは見ているだけで食べられないので、味のニュアンスなどを伝えられる人を選んで欲しい。
- ターゲットがどの層なのか、よくわからない番組。お金を持っていて、旅番組に興味があるのは、若い層ではないと思うが、ロサンゼルスのバッファローバーガーも紹介していた。とても50~60歳の人は食べられないと思う。
- ゲストの藤田弓子さんが国内旅行をリポートするコーナーが、番組のメインターゲットに一番合っている気がする。
- 旅番組は多いが、毎週生放送しているのは「旅サラダ」だけ。そこをもう少し強調できないか?例えば、誰かが北海道から沖縄まで自転車で一人旅を続けていて、「今週はどこですか?」「今ここです」というリポートをする。どこか1カ所でも良いから「旅サラダ」ならではのところが欲しい。
- 食べ物の紹介がものすごく多い。もう少し厳選した方が良いのではないか。また、美味しいものは美味しそうに撮ってもらいたい。
- 天草の旅といえば、隠れキリシタンの歴史があるのだから、旅情というか情緒として、その辺ももう少し紹介してもらいたかった。町の教会がほんのちょっと映った程度で、後は食べものの紹介ばかりだった。
[番組制作側から]
- メインターゲットは、F3(50歳以上の女性)、M3(50歳以上の男性)、それからF2(35~49歳の女性)。比較的年齢層が高いところですが、特別に意識している部分でいうとF2層、ちょっと若い女性たちにも見ていただきたいという思いが強くある。
- 「旅サラダ」は他番組に比べてゲストの年齢層が高い。視聴率を取るのが伊吹吾郎さんや綿引勝彦さん、前田吟さんらで、今活躍されている若いタレントさんは取らない。きっとボキャブラリーの問題とか、旅に行った時の表情とか、人生経験に裏打ちされたものが数字に反映しているのだろうと思われる。
- 番組の基本理念は「行った気持ちになって欲しい」。このため、「背負い」といわれる旅人が歩いているのを後ろから追いかける画が他の旅番組に比べて多くなっている。
- コーナー細切れの話は、制作者としてもジレンマがある。本当はもっとゆっくりした旅番組をやりたいが、裏番組にNHKの連続テレビ小説が15分間あり、視聴率を取られてしまう。そこでコーナーをやりくりして、強いコーナーを持ってきてという風に色々調整した結果が細切れになっている。
- 「旅サラダ」は来年20周年を迎える。基本構造は非常に古い番組。いわばとても構造のしっかりした家を先輩たちが作ってくれた。それをどういう風にアレンジしていくかは、今回の新しいご提案もうまく取り入れながら試していきたい。
以上