第554回番組審議会は、4月10日(金)に開かれました。
出席委員はご覧の方々でした。

〔委員〕
豊蔵 亮 委員長、 井野瀬 久美惠 副委員長、
藤田 富美恵 委員、道浦 母都子 委員、
星野 美津穂 委員、草川 誠 委員、
山田 廣則 委員

 

 

〔欠席委員〕
植田 紳爾 委員、村田 晃嗣 委員、
宮原 秀夫 委員

〔当社側〕
渡辺 克信 社長、北畠 宏泰 専務、
福田 正史 取締役編成本部長、
山本 晋也 編成局長、藤岡 幸男 報道局長、
川崎 宏 ラジオ局長、板井 昭浩 プロデューサー、
本田 幹雄 プロデューサー、本城 謙三 広報局長、
小関 道幸 事務局長、藤沼 純夫 事務局員

<番組内容>

阪神タイガースを引っ張るアラフォートリオの一人下柳 剛を描く。
下柳が40歳の誕生日を迎えた昨年5月16日から、今シーズンのキャンプインまでの約10ヶ月にわたる密着取材。日々、迫りくる肉体と精神の限界に挑み、闘いながら現役にこだわる下柳に迫る。下柳を囲み金本知憲、矢野輝弘を交えたアラフォートリオのぶっちゃけ対談では、悔し涙を飲んだ昨シーズンや野球への想い、今シーズンへの意気込みを語る。普段では見ることが出来ないプライベートライフ、一軒屋に愛犬4匹と暮らす微笑ましい生活や、激しいトレーニングの姿。41歳へ挑戦する姿を追うドキュメント。

 

<以下 出席委員の意見 要旨>

  • 下柳選手は阪神に入って良くなった。阪神に入って60勝、ダイエーや日本ハム時代から明らかに一皮むけた。何がそうさせたのか、本人にも周りの人の話にもない。以前とどう違うのか一番知りたい所だ。アラフォートリオの対談は、盛り上がりにやや欠ける。ハラハラドキドキが余りない。
  • 人間一人を掘り下げるとドラマがあるなと思った。球界の野獣といわれ、やんちゃ坊主の姿も描かれているが、奥さんはもらわず、家では犬と戯れている。変人奇人のようだが、練習の虫であり、ベンチでは常に声を出す。
    何故去年のタイガースはだめになったのか?「選手がかっこをつけてきた。勝負に負けるのが一番ぶざまだ」と語る。面白い人をより深く掘り下げてくれたなと思う。
  • 委員の夫、オリックスからタイガースに移った星野投手の現役の頃の思い出がある。甲子園球場のファンからは常に大きなプレッシャーを感じた。「勝ち星」をあげることの家族と本人の思いがある。下柳選手がタイガースに移り、中継ぎから先発に変わり、モチベーションがどう変わったのか、最も知りたい所だった。スピードが出なくなり、何を考えて今のスピードでやれると考え、勝ちがついてきたのか?その説明がもっと欲しかった。
  • 全体の構成として、アラフォートリオの3人の語りが中心になってエピソードが入る感じで作られている。3人の話は野球に興味のない者には少し長く感じるが、阪神ファンには面白い番組だろう。家のなかで4匹の犬と暮らす姿、自主トレのときも犬を連れていく、下柳選手の人間性に興味を引かれた。
  • この番組は「プロとはどういう存在なのか」を伝えたかったのだろう。下柳という一人の選手を題材に描いたと思う。プロとしての誇りが人を感動させる。下柳が「おじさんたちは勝ちたいんよ」と独白する。「おれたちはプロ中のプロだ」と言っているのと同じだ。プロとは何か。どこまでも自分を追求し妥協しない、きちんと自分をコントロールできる人間こそプロなんだということが、よく伝わってきた。
  • タイガースのファンじゃなくても、非常におもしろい番組だ。ある限界に挑みながらこういう生き方をしている。その生き方として大事な部分が、しっかり描かれているという印象を持つ。地元長崎に帰りソフトボール大会を主催、放送局がそれをきちんと流している。家では愛犬たちと暮らす一面を映し出す。孤独だが、40歳を超えて挑戦する厳しいプロの生き方を描くことに成功している。
  • なぜ「力から技」に変わったのか、委員の皆さんが一番知りたかったことだった。1人の人間のキャラクターや人間像を追いかけるときには、その人の過去をもっと調査して掘り下げなきゃいけない。昔は直球投手で、中継ぎ投手の時代にはフル出場した時代もある。今から見ると様変わりで、投法も違う。そこをもっと追求して調査していったら、おのずからポイントをついた質問ができ、下柳選手から答えを引き出すことができたはずだ。ちょっともの足りないと思う。

以上